Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成16年度目次

早生温州の隔年交互結実栽培とマルチ栽培の組合せによる高品質化


[要約]
早生温州の隔年交互結実栽培とマルチ栽培を組合せることにより、高品質な果実の安定生産が可能となり、慣行マルチ栽培に比べ粗収益は高くなる。

[キーワード]
ワセウンシュウ、隔年交互結実栽培、マルチ栽培、粗収益

[担当]
佐賀果樹試常緑果樹研究担当係

[連絡先]電話0952-73-2275	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
温州みかん栽培では、隔年結果や気象条件により収量や果実品質は大きく変動し、価格が不安定となり、農家経営は不安定となっている。そこで、隔年交互結実栽培の生産年において、マルチ栽培を導入し、果実品質の向上、安定による高品質果実の生産拡大を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. 隔年交互結実栽培とマルチ栽培の組合わせでは、収穫時の果実品質は慣行栽培の表年、裏年にかかわらず安定して高い(表1)。

  2. 隔年交互結実栽培の露地栽培では、慣行栽培に比べ高品質果率は高いものの年次による変動が大きいが、マルチ栽培を組合せることで高品質果率はより高くなり、年次による変動は小さくなる(表2)。

  3. 隔年交互結実栽培とマルチ栽培を組合せることで、10a当たりの平均販売金額は、慣行のマルチ栽培に比べ多く、さらに年次による変動も小さくなる(図1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 2001年、2003年を慣行の表年、2002年、2004年を慣行の裏年とした。

  2. 隔年交互結実栽培は、慣行栽培に比べ、省力化を図ることができ、さらにマルチ栽培を組合せてもマルチ資材の経費を少なく抑えることができるため、総合的な経営改善につながる。

  3. 隔年交互結実栽培では樹勢を適正に維持することが重要であり、特にマルチ栽培では、通常の肥培管理に加え、葉面散布等を行い、樹体の栄養状態を適正に保つ必要がある。

[具体的データ]

表1 収穫時果実品質(2001年〜2004年)


表2 平均収量及び高品質果率(2001年〜2004年)


図1 粗収益の比較(2001年〜2004年)

[その他]
研究課題名:早生温州における隔年交互結実栽培技術の確立
予算区分 :委託試験(連携開発研究)
研究期間 :2001〜2004年度


目次へ戻る