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生食用パインアップル「サマーゴールド」の露地栽培における収穫適期


[要約]
露地栽培での「サマーゴールド」は、既存品種と比較して5月から10月の間食味が良く、高品質果実の収穫できる。しかし、11月から4月は収穫果に、褐斑病が発生するため収穫を避ける。

[キーワード]
生食用、パインアップル、サマーゴールド、褐斑病

[担当]
沖縄農試・名護支場・パイン研

[連絡先]電話0980-52-0052	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
本県では生食用パインアップルとして2001年に命名登録された「サマーゴールド」を現在普及に移しており、生産者から新品種に寄せる期待は大きい。「サマーゴールド」は既存品種に比べ、自然夏実では著しく酸が低くなる特性を持っている。この特性を生かした適正収穫時期を把握するとともに、「サマーゴールド」を用いて高品質果実の収穫期間の拡大を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. 露地栽培での「サマーゴールド」は、5月から10月の間、糖酸比が約18以上あり、食味が良く、生食用に適した高品質果実が収穫できる。これは従来の「ソフトタッチ」に比較し2か月、「N67-10」に比較し4か月の出荷期間拡大に相当する(図1)。

  2. 褐斑病の発生は、「N67-10」では2月のみなのに対して、「サマーゴールド」は、11月から4月まで多発し、商品価値のある果実は生産できない(図2)。

  3. 「サマーゴールド」の褐斑病は収穫前の平均気温が摂氏25度以下になると発生がみられ始め、気温が下がるほど発生が多くなる(図3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 沖縄本島北部地域に適応する。

  2. 「サマーゴールド」を5月から10月の間に収穫するためには、花芽誘導処理を9月下旬から5月上旬までに行う必要がある。

  3. 高温期には日焼け果が発生しやすいため、日焼け防止を徹底する。

  4. 吸芽の発生数が多いため、1回目収穫後に吸芽を除去し、1本仕立てにする。

  5. 夏実収穫では果皮の着色が進みすぎると、病果発生が多くなり、保存性も悪くなることから40%以内の着色で収穫する。

  6. 果実を冷蔵保存すると、5日後から褐斑病が発生するため、摂氏20度以下では保存しない。

[具体的データ]

図1 露地栽培における各品種の収穫月別糖酸比(2002〜03年)


図2 「サマーゴールド」と「N67-10」の褐斑病率(2002〜03年)


図3 「サマーゴールド」の褐斑病率と平均気温(2002〜03年)

[その他]
研究課題名:パインアップル新品種における高品質栽培技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2004年度


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