ニホンナシ「王秋」の果実重と果実品質との関係
- [要約]
- ニホンナシ「王秋」は果実重が重い果実ほど糖度が高く、硬度が低い。ただし、700g以上の果実では果肉褐変症状の発生が多い。
- [キーワード]
- ニホンナシ、王秋、果実重、糖度、硬度
- [担当]
- 佐賀果樹試・落葉果樹担当係
[連絡先]電話0952-73-2275
[区分]九州沖縄農業・果樹
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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現在、九州各県において導入が進んでいるニホンナシの新品種である「王秋」について花芽の着生が良く、高収量が期待できる反面、着果過多で小玉果、品質の低下が懸念される。そこで、果実重と品質との関係を明らかにした。
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[成果の内容・特徴]
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果実重が重い果実ほど糖度が高く、果肉硬度は低い(表1、図1)。
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pH、果形は果実重の違いによる差が見られない(表1)。
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果実重700g以上では果肉褐変症状の発生が多くなる(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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- 花芽着生は良好であるが10果/m2程度とし、600〜700gの果実重の生産に心掛ける。
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着果過多の場合は主枝、亜主枝の先端より枯れ込み、徒長枝が多発し、樹勢低下が低下する。
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摘果は満開後40日頃までに終了する。
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腋花芽に着果した果実は腰高となり、変形しやすいため出来るだけ着果させない。
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[具体的データ]
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表1 「王秋」果実の品質調査(場内植栽14年生1樹)

図1 「王秋」における果実重と糖度との関係

表2 王秋の果実重別果肉褐変症状の発生程度別割合

図2 ナシの果肉褐変症状の発生指数
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[その他]
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研究課題名:中生ナシ新品種の栽培技術開発による新出荷体系の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2007年度
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