極早生ウンシュウの高うねマルチ栽培における被覆尿素肥料を用いた施肥技術
- [要約]
- 極早生ウンシュウ「久賀早生」の高うねマルチ栽培における被覆尿素肥料を利用した秋1回施肥は、果実品質、収量のいずれも慣行施肥と同等で、施肥回数の削減による省力化が可能である。
- [キーワード]
- 極早生ウンシュウ、高うねマルチ、被覆尿素肥料、省力
- [担当]
- 福岡農総試・果樹部・果樹栽培チーム
[連絡先]電話092-922-4946
[区分]九州沖縄農業・果樹(常緑果樹)
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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シートマルチ効果の安定化を図ったウンシュウミカンの高うねマルチ栽培では、施肥量を通常の露地栽培の3分の2程度まで減らしても、高品質果実の安定生産が可能なことをこれまでに明らかにした(2001年度九州農業研究成果情報)。しかし、シートを長期間被覆するため、実際場面では施肥回数の削減も栽培上の課題となる。そこで、極早生ウンシュウの高うねマルチ栽培で肥効調節型の被覆尿素肥料を用いた施肥回数の削減が収量、品質へ及ぼす影響を検討し、施肥の省力化技術を確立する。
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[成果の内容・特徴]
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リニア140日タイプの被覆尿素肥料を用いた春1回施肥では5月下旬の葉色値が慣行に比べて低く、6月以降も秋1回施肥、慣行の年3回施肥に比べて低い傾向にある(表1)。
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果実品質については、秋1回施肥は春1回施肥に比べて果皮色が優れ、糖度、クエン酸含量には差がみられない(表2)。また、樹の生育は施肥方法の違いによる差が認められない。
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秋1回施肥の1樹当たり、10a当たり収量は春1回施肥、慣行施肥に比べて同等かやや多くなる傾向が認められる(表3)。
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[成果の活用面・留意点]
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ウンシュウミカンの高うねマルチ栽培の省力化技術として活用できる。
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[具体的データ]
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表1 「久賀早生」の高うねマルチ栽培における施肥方法の違いと葉色(2001年)

表2 「久賀早生」の高うねマルチ栽培における施肥方法の違いと果実品質(2003年)

表3 「久賀早生」の高うねマルチ栽培における施肥方法の違いと収量(2001〜2003年)
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[その他]
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研究課題名:高品質果実生産に適したマルチ栽培での少資材化と栽培技術
予算区分 :助成試験(地域基幹)
研究期間 :2001〜2003年度
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