九州沖縄農業研究センター
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透湿性シートの廃材を利用したミカンせん定枝チップの早期堆肥化技術


[要約]
チップ化したミカンのせん定枝に、チップの2%量の石灰窒素を添加し、タイベックシートを被覆すると短期間で堆肥化できる。また、堆肥化の進行状態は温度変化から確認できる。

[キーワード]
ミカン、せん定枝、チップ、堆肥化

[担当]
長崎果樹試・生産技術科

[連絡先]電話0957-55-8740	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
現在、循環型社会の構築が求められているが、樹園地から発生するせん定枝は未だ積極的な資源化が行われておらず、現在も焼却処分などの問題が後を絶たない。そこで、せん定枝の有効利用を図るため、効率的な堆肥化マニュアルを作成する。

[成果の内容・特徴]
  1. せん定枝はチッパーを用い1〜2cmに粉砕したものを用いた(図1)。

  2. 石灰窒素を2%添加したチップを非通気性のビニールで被覆しても温度上昇はみられない。通気性のある透湿性シートを被覆することで温度が上昇し発酵を維持できる(図2)。

  3. 腐熟度合いは切り返し後の温度変化で判定でき、堆積後5ヶ月で使用可能な堆肥となる(図3図4)。

  4. 作成した堆肥のpH、EC、CN比は施用しても問題がない値である(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. チップに含まれる木質の量や材料樹種の違いによっても分解に必要な時間は異なる。

  2. 木質系堆肥は乾燥しやすいため、水分状態を見ながら適宜散水する。

  3. 透湿性シート(商品名:タイベック)はカンキツ園に被覆した後の資材を再利用した。

[具体的データ]

図1 せん定枝チップの大きさ


図2 被覆資材が発酵温度に及ぼす影響


図3 発酵過程における温度変化


図4 発酵過程におけるCN比の変化


表1 製造堆肥の品質

[その他]
研究課題名:未利用資源リサイクルの実証
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2003年度


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