Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成16年度目次

極早生温州「かごしま早生」の収穫期の窒素栄養の実態


[要約]
極早生温州「かごしま早生」の産地の葉中窒素の平均は約3%で基準値(2.7〜3.2%)以上が全体の19%でみられ、やや高い傾向にある。

[キーワード]
かごしま早生、葉中窒素含量

[担当]
鹿児島果試・化学研究室

[連絡先]電話0994-32-0179	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
「かごしま早生」は9月上旬から食味が良好で宮本早生などの従来品種より糖度が高く、これからの本県を代表する極早生温州ミカンとして期待されている。しかしながら、樹勢がやや強く、着果促進のための整枝誘引や施肥改善などによる樹勢調節が必要である。そこで、収穫時の葉中の窒素栄養の状態を明らかにし、樹体管理の参考にするため、2002年9月に施肥実態聞き取りと葉分析調査、2003年9月に産地の葉分析調査を実施した。

[成果の内容・特徴]
  1. 全体的に窒素含量が高く、2か年とも平均値は約3%である。(表1表2

  2. 葉中の窒素含量と着色歩合の間には有意な一次の負の相関がみられる(図1)ことから着色を促進するためには葉中窒素を上げないことが重要である。

  3. 葉中の苦土含量の平均値は0.25%であり、基準値(0.25%以上)より低い園地が約半数でみられる(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 窒素含量が3.2%を超える園地では秋肥の施用量を減ずるか、春肥の施用を控えることが望ましい。

  2. 葉中の苦土含量が低い園地は土壌中の交換性苦土含量も低いことが考えられるため、土壌診断値に基づいて苦土資材を施用する。

  3. 地温が低く、降雨の少ない秋期において、有機率の高い肥料や緩効性肥料は肥効が遅れるので使用を避ける。

[具体的データ]

表1 極早生温州「かごしま早生」の葉中窒素含量及び施肥管理実態


表2 「かごしま早生」の葉分析調査結果2003年9月11〜24日n=32)


図1 葉中(n=16)の窒素含量と着色歩合(2003年)

[その他]
研究課題名:消費者ニーズに対応した極早生温州の飛躍的食味向上技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2003〜2004年度


目次へ戻る