パッションフルーツ養液土耕栽培下における補光による夏実の増収
- [要約]
- パッションフルーツの養液土耕栽培において赤色高輝度発光ダイオードで補光することによって花芽分化が促進され、夏実が増収する。
- [キーワード]
- 赤色高輝度発光ダイオード、電照栽培、パッションフルーツ
- [担当]
- 鹿児島果樹試・化学研究室・栽培研究室
[連絡先]電話0994-32-0179
[区分]九州沖縄農業・果樹
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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パッションフルーツの電照栽培では冬季に白熱球を用いて花芽分化を促進し、3月から5月にかけて春実が収穫できる。自然の日照条件においても、補光することで花芽分化が促進される可能性がある。そこで、夏実の増収を図るために3月から赤色高輝度発光ダイオード(以下LED)を用いて補光し、開花及び収量に及ぼす影響について検討した。
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[成果の内容・特徴]
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開花開始は白熱球区とLED区が3月29日で、対照区は4月3日であり、補光により開花開始が5日、開花最盛期が15〜20日早まる(図1)。
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総開花数は変わらないが、補光により開花が早まり、開花最盛期が4月になる。自然条件下では5月に開花最盛期を迎え着果率は低い。(表2)。
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補光による果実品質への影響はみられず、着果率の増加により収量は約3割増加する(表3)。
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[成果の活用面・留意点]
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施設で栽培されるパッションフルーツに活用可能である。
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発光ダイオードの照射波長は660nmの赤色光を用いる。
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[具体的データ]
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表1 試験方法

図1 累積開花数

表2 夏実の開花数と収穫個数(1樹当たり)

表3 養液土耕の夏実の収量及び果実品質
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[その他]
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研究課題名:養液・電照栽培によるパッションフルーツの省力・周年・多収技術
予算区分 :高度化事業
研究期間 :2003〜2005年度
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