パッションフルーツの養液土耕・電照栽培に適する整枝法
- [要約]
- パッションフルーツの養液土耕・電照栽培において、収量が多く、作業性が良い整枝法はT字型整枝とつり下げ型垣根整枝である。
- [キーワード]
- パッションフルーツ、養液土耕栽培、電照栽培、仕立て法
- [担当]
- 鹿児島果樹試・栽培研究室
[連絡先]電話0994-32-0179
[区分]九州沖縄農業・果樹
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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パッションフルーツの土耕栽培での整枝法は、鹿児島県ではT字型整枝が中心となっている。今後、安定生産、周年出荷が可能な養液土耕・電照栽培において、収量が多く作業性の良い樹形を選定する必要がある。そこで、125リットルの養液土耕ベッドに植栽した「サマークイーン」を用い、電照栽培による4〜5月出荷作型において、畝間1.5m、株間6mとするT字型整枝、マンソン型整枝、畝間1.3m、株間6mとするつり下げ型垣根整枝、つり上げ型垣根整枝の4整枝法について検討する。
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[成果の内容・特徴]
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T字型整枝とつり下げ型垣根整枝は、単収が2.4〜2.5tと多く、結果位置はハウス地表面からの高さ51〜100cmが中心となり、作業性が良い(表1、表2、図1)。
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マンソン型整枝とつり上げ型垣根整枝は、単収が2.1tとやや少ない(表1、図1)。マンソン型整枝の結果位置は、50cm以下が中心となり、作業性が劣る(表2)。
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収穫果実の1果平均重は83〜87gで仕立て法の違いによる差はない(表1)。
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糖度は17〜18、クエン酸は2.5〜2.7%、果皮色はブドウ用紫色系カラーチャートで7.0〜7.3であり、仕立て法の違いによる品質の差はない(表3)。
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[成果の活用面・留意点]
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九州本土の加温ハウス栽培、南西諸島の雨除け栽培で活用できる。
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加温ハウス栽培における秋冬季の温度管理は、夜温摂氏15度、昼温摂氏30度とする。
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春季の果実を収穫するためには、11月中旬にビニル被覆と加温開始を、12月上旬にせん定を、12月上旬〜2月下旬に電照を行う。
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[具体的データ]
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表1 整枝法の違いが収量に及ぼす影響(2004年3月25日〜6月1日の累計)

表2 整枝法の違いが結果位置に及ぼす影響(2004年)

表3 整枝法の違いが果実品質に及ぼす影響(2004年)

図1 養液土耕・電照栽培での整枝法

表4 養液土耕・電照栽培での栽培経過
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[その他]
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研究課題名:養液・電照栽培によるパッションフルーツの省力・周年・多収栽培
予算区分 :高度化事業
研究期間 :2003〜2005年度
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