宮古地域の島尻マージにおけるマンゴー黄化症園の土壌物理化学性
- [要約]
- 島尻マージのマンゴー黄化症園の特徴として、排水不良園が多く、いずれの土層にも石灰岩礫が存在する。また、いずれの土層もアルカリ性で土壌pH及び交換性カルシウム含量が高い。さらに1層目の交換性マグネシウム含量及び交換性カリウム含量は高い傾向である。
- [キーワード]
- 島尻マージ、マンゴー黄化症、石灰岩、アルカリ性、土壌pH、交換性カルシウム、交換性マグネシウム、交換性カリウム
- [担当]
- 沖縄農試・宮古支場・園芸研究室
[連絡先」電話0980-72-3148
[区分]九州沖縄農業・果樹
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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宮古地域の島尻マージおけるマンゴーは果実品質が良く、市場評価も高いが、低収量園がみられ、連年安定生産で問題となっている。特に、生産量の低い園では葉の黄化症が発生している。そこで、マンゴー園の土壌理化学性及び葉内化学成分を調査し、マンゴー黄化症発生対策技術の基礎資料とする。
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[成果の内容・特徴]
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黄化症園では排水不良園が多い傾向で、いずれの土層にも石灰岩礫が存在し、下層にいくほど根が少なくなる傾向である(表1)。
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土壌pHは安定生産園が下層にいくに従って低いのに対して、黄化症園はいずれの層も7以上と高い(表2)。
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交換性カルシウム含量はいずれの層も黄化症園が極めて高く、特に1層目が高い(表3)。
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交換性マグネシウムとカリウムは黄化症園の1層目が安定生産園のそれより2倍程度高い(表3)。
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可給態鉄は黄化症園が全体的に高い(表3)。
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黄化症園の葉内の全鉄、二価鉄、葉のSPAD値は安定生産園に比べて低い傾向である(表4)。
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[成果の活用面・留意点]
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アルカリ土壌地域の黄化症対策の基礎資料とする。
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現場での対策には土壌の物理性も検討する必要がある。
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[具体的データ]
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表1 安定生産園と黄化症園の各土層の断面特性

表2 安定生産園と黄化症園の土壌の化学性

表3 安定生産園と黄化症園の土壌の化学性

表4 安定生産園と黄化症園の葉内成分
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[その他]
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研究課題名:マンゴー黄化症発生要因の解明と樹勢回復技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2003年度
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