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夏秋イチゴに適した高設栽培とその栽培槽の素材


[要約]
夏秋イチゴは地床栽培よりも高設栽培の方が多収である。また、高設栽培の栽培槽の素材は不織布の方が発泡スチロールよりも培地温度が低く、収量が優れる。

[キーワード]
イチゴ、夏秋栽培、高設栽培、地床栽培、栽培槽

[担当]
宮崎総農試・野菜部・栽培科

[連絡先]電話0985-73-2332	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
わが国の夏秋期のイチゴ生産は、夏季冷涼な北海道や徳島県の高冷地など一部の地域で栽培が行われているだけで、この時期の需要の約10%しか満たしていない。このため国産の夏秋イチゴは冬春イチゴの2〜3倍以上の高値で取引されており、高い収益が得られる品目として注目されている。そこで、宮崎県でも比較的標高が高くて夏季冷涼な地域において、地床栽培と高設栽培が生育および収量に及ぼす影響ならびに高設栽培に用いる栽培槽の素材の違いが収量等に及ぼす影響を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 高設栽培は地床栽培に比べて葉が大きくて草勢が強く、生育が優れる(図1)。

  2. 高設栽培は地床栽培に比べて30%程度収量が多い(図2)。これは図3に示すとおり高設栽培の方が夏期の高い地温の影響を受けにくく、草勢の低下や不受精果等の発生が少ないためである。

  3. 栽培槽の素材は、不織布の方が発泡スチロールよりも地温が低く推移し、15%程度収量が多い(図4図5)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 本成果で使用した不織布を栽培槽とする高設ベッドの概略は次のとおり。

[具体的データ]

図1 栽培法の違いが生育に及ぼす影響


図2 栽培法の違いが収量に及ぼす影響


図3 栽培法の違いがハウス内気温と地温に及ぼす影響


図4 栽培槽の違いが地温に及ぼす影響


図5 栽培槽の違いが収量に及ぼす影響

[その他]
研究課題名:中山間地域農業技術緊急現地試験
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2005年度


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