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夏秋イチゴの高設栽培における好適な液肥の施用濃度


[要約]
夏秋イチゴの高設栽培において、給液と同時に液肥(N成分15%)を施用する場合は、高温期のみ3000倍にし、その前後は2000倍で管理すると生育および収量が優れる。

[キーワード]
イチゴ、夏秋栽培、高設栽培、肥培管理

[担当]
宮崎総農試・野菜部・栽培科

[連絡先]電話0985-73-2332	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
わが国の夏秋期のイチゴ生産は、夏季冷涼な北海道や徳島県の高冷地など一部の地域で栽培が行われているだけで、この時期の需要の約10%しか満たしていない。このため国産の夏秋イチゴは冬春イチゴの2〜3倍以上の高値で取引されており、高い収益が得られる品目として注目されている。宮崎県でも夏期冷涼な高冷地で高設栽培を導入すれば、夏秋イチゴの生産が可能である。しかし、高設栽培における肥培管理法については明らかでない。そこで、施用する液肥濃度の違いがイチゴの生育および収量に及ぼす影響を秋からにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 液肥(N成分15%)濃度は、高温期のみ3000倍とし、その前後を2000倍で管理すると生育および収量が優れる(表1図1図2)。

  2. 液肥濃度を高温期のみ3000倍とし、その前後を2000倍で管理すると、高温期の葉柄汁液の硝酸イオン濃度は1500〜2000ppmの範囲で推移する。一方、全期間を3000倍で管理すると1000ppm以下になり生育および収量が劣り、また、全期間を2000倍で管理すると3000ppm程度まで上昇して収量が劣る(図3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 本成果で使用した液肥の成分含量は、N15%、P2O58%、K2O17%、CaO6%、Mg2%のものである。
  2. 本成果の基肥量や養水分管理等は表2のとおり。

[具体的データ]

図1 液肥濃度の違いが葉の大きさの推移に及ぼす影響


表1 液肥濃度の違いが収量に及ぼす影響


図2 液肥濃度の違いが時期別収量に及ぼす影響


図3 液肥濃度の違いが葉柄汁液の硝酸イオン濃度の推移に及ぼす影響


表2 養水分管理の概要

[その他]
研究課題名:中山間地域農業技術緊急現地試験
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2005年度


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