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不織布利用によるニンジンの2月どり栽培技術


[要約]
ニンジンの9月下旬は種で、不織布被覆の無マルチ栽培により2月上旬で400kg/a以上の正常根収量が得られる。株間は根身肥大のすぐれる10cmが適当である。被覆により葉長が伸長し機械収穫が可能となる。

[キーワード]
ニンジン、不織布、は種期、株間

[担当]
鹿児島農試・大隅支場・園芸研究室

[連絡先]電話0994-62-2001	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
鹿児島県の耕地面積の約7割は畑地で、カンショや早出し露地野菜の生産が盛んであるが、畑地の利用率は低く、輪作体系の確立による経営安定が急務である。そこで、早掘り青果用カンショとの輪作体系に導入可能な、2月どりニンジンの栽培技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 無マルチ栽培の9月下旬は種で、間引き後から収穫期まで不織布を直がけすることにより根身の肥大が促進され、2月上旬に400kg/a以上の正常根収量が得られる(図1)。

  2. 9月下旬は種で、は種直後及び間引き期後に不織布被覆を開始しても収量は同等である(図2)。

  3. 株間10cmは、6〜8cmより平均根重が重く、M規格以上の収量が多い(図3)。

  4. 被覆によって葉長が2月上旬でも40cm以上に伸長し、機械収穫が可能(葉長25cm以上)となる(図4)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 年平均気温摂氏16〜17度の地帯に適用する。

  2. 早掘り青果用カンショ(8月収穫)との輪作が可能である。

  3. 不織布はPP長繊維不織布で、カンショにも利用可能である。

[具体的データ]

図1 は種期、不織布被覆の有無が収量に及ぼす影響(平成14年度)


図2 は種期、被覆開始時期が収量に及ぼす影響(平成15年度)


図3 は種期、株間が規格別正常根収量、根重に及ぼす影響(平成15年度)


図4 は種期、不織布被覆の有無が葉長に及ぼす影響(平成14年度)

[その他]
研究課題名:栽培手法の共通化等によるカンショ・露地野菜を基幹とした高収益畑輪作体系の確立
予算区分 :助成試験(地域基幹)
研究期間 :2003年度(2002〜2003年)


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