種子冷蔵育苗を利用したトルコギキョウの年2作連続栽培技術
- [要約]
- 種子冷蔵育苗を利用して、秋期収穫作型(7月定植)に中晩生品種、春期収穫作型(11月定植)に早生品種を作付けすると、年2作連続栽培ができる。また、品質も早生品種二度切り栽培(8月定植)と同等以上になる。
- [キーワード]
- トルコギキョウ、種子冷蔵育苗、年2作連続栽培
- [担当]
- 大分温熱花研・研究指導部
[連絡先]電話0977-66-4706
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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大分県のトルコギキョウ産地では主に早生品種の二度切り栽培が行われているが、適品種が少なく栽培の難度が高いため、産地間の品質・収量格差が大きいことが問題となっている。そのため、簡易な自家育苗でコスト低減になる種子冷蔵育苗を利用し、二度切り栽培に替えて秋期・春期収穫作型に分離した年2作連続栽培技術を確立する。
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[成果の内容・特徴]
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秋期収穫作型(7月定植)には中晩生品種、春期収穫作型(11月定植)には早生品種を用いて、10〜11月上旬収穫、4月収穫の年2作連続栽培が可能である(図1)。
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両作型ともに、種子冷蔵育苗として摂氏10度暗黒で5週間の吸水種子の冷蔵処理後70%遮光下で育苗を行う。定植後、冬期夜温は摂氏18度に設定し、9月下旬〜3月下旬まで電照(22:00〜2:00)する。
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秋期収穫作型では、種子冷蔵育苗を用いると冷房育苗より平均採花日(到花日数)は遅くなるが、二度切り栽培と比較すると約30日早くなる。また、春期収穫作型では、種子冷蔵育苗の平均採花日は、冷房育苗よりやや早く、二度切り栽培と比較すると約30日早くなり、切り花単価の安定した4月中にほとんど採花できる(表1、表2)。
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秋期収穫作型では、種子冷蔵育苗を用いると冷房育苗よりやや切り花品質が劣るが、二度切り栽培と比較すると切り花品質は優れる。また、春期収穫作型では、冷房育苗よりやや劣るが二度切り栽培と比較すると同等である(表1、表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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秋期収穫作型では、品種により葉先枯れやロゼットが発生するため、適品種選定を行う必要がある。
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秋期収穫後土壌消毒や基肥の投入は行わず、切り下株を引き抜いたあとに春期収穫作型用の苗を定植する。
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[具体的データ]
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図1 年2作連続栽培体系

表1 秋期収穫作型の切り花形質

表2 春期収穫作型の切り花形質
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[その他]
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研究課題名:トルコギキョウの高品質安定生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2003年度
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