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アルストロメリアの養液土耕栽培による高品質多収栽培技術


[要約]
養液土耕栽培は慣行施肥栽培に比べ、総採花本数、年内採花本数が向上し、品質は同程度である。この場合の、土壌水分はpF1.8〜2.1、窒素施肥量6〜9kg/aで地中冷却栽培で管理する。

[キーワード]
アルストロメリア、養液土耕栽培、サニーレベッカ、ロレナ

[担当]
大分温熱花研・研究指導部

[連絡先]電話0977-66-4706	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
アルストロメリア栽培の経営安定を図るためには、収量、品質の向上と施肥管理などの省力化が必要である。そこで、アルストロメリアの養液土耕栽培の適応性を検討し、栽培期間中の採花本数や品質などの年次変動を把握し、土壌水分管理、施肥量を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 養液土耕栽培は、慣行施肥栽培(化成肥料及び被覆複合肥料を分施)に比べ3年間の総採花本数が向上し、年内採花本数も同等以上である。「サニーレベッカ」は、土壌水分がpF1.8と2.1間で3年間の総採花本数は大差ないが、「ロレナ」ではpF1.8がやや優れる(表1)。

  2. 養液土耕栽培の切り花品質は、慣行施肥栽培と同等程度であり、窒素施肥量を6kg/aから9kg/aに増施すると生育が旺盛になり、切り花重が増加する。また、土壌水分をpF2.1で管理すると曲がりはやや減少する傾向がみられる(表2)。

  3. 養液土耕栽培の土壌溶液中硝酸濃度は、採花期間中は、ほぼ300mg/L以上で、慣行施肥栽培に比べ安定して高く推移する(図1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 品種、栽培年数、土壌条件により肥料濃度に対する反応が異なるため、適宜、土壌溶液中の硝酸濃度等を適正に管理する必要がある。

[具体的データ]

図1 土壌溶液中の硝酸濃度の推移品種:「サニーレベッカ」


表1 採花本数の推移('01年9月〜'04年5月)


表2 切り花形質('01年9月〜'04年5月)

[その他]
研究課題名:アルストロメリアの地中冷却栽培技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2003年度


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