AFLP法によるイチゴの品種識別
- [要約]
- 本県で育成したイチゴ新品種「福岡S6号」を含む主要10品種は、葉や果実のガク片から抽出したDNAを用いて、7種のプライマー組合せによるAFLP法により相互に識別できる。
- [キーワード]
- イチゴ、品種識別、AFLP法、育成者権
- [担当]
- 福岡農総試・野菜育種部・野菜育種チーム
[連絡先]電話092-922-4930
[区分]九州沖縄農業・野菜
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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近年、国内で育成された品種が、海外で違法に生産、逆輸入される事例が発生し、国内農業の振興や育成者の権益確保を図る上で問題となっている。
そこで、本県で育成したイチゴ新品種「福岡S6号(商標名:あまおう)」について、育成者権益を確保し、イチゴの生産振興を図るため、遺伝子診断手法を用いた品種識別技術を開発する。
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[成果の内容・特徴]
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本県で育成したイチゴ新品種「福岡S6号」を含む主要10品種は、選定した7種類のプライマー組合せを用いたAFLP法(Amplified Fragment Length Polymorphism)により相互に識別できる(表1)。
- プライマー組合せ「MseI-CAA,EcoRI-AGC」は、選定した組合せの中で最も識別能力が高く、これに他のプライマー組合せを併用することで、識別精度は高くなる(表1)。
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品種識別に要する期間は、5日程度である(図1)。
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識別に必要なイチゴDNAは、破砕試料をPEG・ソルビトールバッファーで洗浄後、Nucleon Phytopure(アマシャムライフサイエンス社製)を用いて、葉及び果実のガク片(50mg)から抽出できる(データ略)。
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[成果の活用面・留意点]
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選抜したプライマー組合せ及びマーカーは、特許出願済(特願2004-096966)である。
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[具体的データ]
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表1 AFLP法による品種別バンド出現パターン

図1 AFLP法によるイチゴの品種識別手順
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[その他]
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研究課題名:イチゴの品種識別技術の開発
予算区分 :経常
研究期間 :2002年度
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