DNA鑑定による熊本県育成イチゴ「熊研い548」の品種識別
- [要約]
- 熊本県で育成されたイチゴの新品種「熊研い548」(商標:ひのしずく)は独立行政法人農業・生物系特定産業研究技術機構野菜茶業研究所(以下野菜茶業研究所)により開発されたCAPSマーカーを使用し、PGP-Acc IとMSR-Alu Tの2種のマーカーのみで主要65品種と識別が可能である。
- [キーワード]
- イチゴ、品種判別、CAPSマーカー、「熊研い548」
- [担当]
- 熊本県農業研究センター・農産園芸研究所・バイオ育種研究室
[連絡先]電話096-248-6445
[区分]九州、野菜・花き、その他、いちご
[分類]技術・参考
-
[背景・ねらい]
-
食の安全性の高まりによって顔の見える農産物の生産供給が生産者にも要求されている。また、育成者権を無視した不法な栽培や不正な店頭表示により販売されるなどの問題があり、消費者の安心と育成者の保護を目的とした技術開発がなされてきた。このようななか、イチゴの品種間で多型を示すCAPSマーカーが野菜茶業研究所で開発された。このマーカーを利用して熊本県で育成したイチゴの新品種「熊研い548」(商標:ひのしずく)を効率的に他品種と識別することを目的とした。
-
[成果の内容・特徴]
-
- 野菜茶業研究所で開発されたイチゴの品種間に多型を示すCAPSマーカーのうち、MSR-Alu Iで275bpと250bpのRFLPsが得られ、かつPGP-AccTで402bpのRFLPが得られるのは66品種中「熊研い548」のみである。このためMSR-Alu TとPGP-Acc Tの2種のCAPSマーカーで「熊研い548」と主要65品種との識別が可能である(表1)。
-
[成果の活用面・留意点]
-
-
イチゴ品種識別用CAPSマーカーは野菜茶業研究所により開発されたものでありその使用にあたっては協議を要する。
-
[具体的データ]
-

表1 2種のCAPSマーカーによる多型
-
[その他]
-
研究課題名:県産オリジナル品種の遺伝子指標による品種保証技術
予算区分 :県単
研究期間 :2003〜2007年度
目次へ戻る