果実に突起がなく輸送性に優れるニガウリ新品種「宮崎N4号」
- [要約]
- 「宮崎N4号」は、果実の表面が平滑で突起がなく、輸送の際に傷みの少ない品種である。普通栽培と半促成栽培に適する。
- [キーワード]
- ニガウリ、育種、F1品種、宮崎N4号
- [担当]
- 宮崎総農試・野菜部・育種科
[連絡先]電話0985-73-2332
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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ニガウリの消費が全国的に定着するのに伴い、市場では従来の品種に加えて果実の色や形状の面でバリエーションに富んだニガウリを求める動きがある。そこで、そうした市場のニーズに即した品種育成を行う。
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[成果の内容・特徴]
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「宮崎N4号」は、中国華南種由来系統である「T-TKSN」を母本、台湾種由来系統「T-RKJN」を父本とする一代雑種品種である。
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草勢、雌花の着生数ともに“中”である(表1)。
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収量は多く、「佐土原3号」に比べて普通栽培では総収量は9%、上物収量は24%多い(表2)。半促成栽培では総収量はわずかに少ないが、上物収量は同等である(表3)。
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果実は肩の張った紡錘形である。果色は“鮮淡緑色”である。(表1、図1)。
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果皮のイボ状突起は“無”で、縦に数本の条溝がある(表1、図1)。
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食味および苦みは、通常の紡錘形品種と同様である。
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[成果の活用面・留意点]
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急激な土壌水分の変化により果実表面に裂皮を生じる場合がある。そのため定期的なかん水に努め、また圃場周囲からの水の侵入にも注意する。
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[具体的データ]
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表1 生育および果実の特性

表2 普通栽培における総収量と上物収量(a当り)

表3 半促成栽培における総収量と上物収量(a当り)

図1 「宮崎N4号」の果実の外観
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[その他]
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研究課題名:宮崎特産オリジナル品種の育成・比較試験
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2003年度
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