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しみ症の発生が極めて少ないソラマメの新品種「交2号(仮称)」


[要約]
ソラマメの新品種「交2号」は、従来の品種に比べて収量性及び品質が同程度ではあるが、しみ症の発生が極めて少なく、夏まきの冬春どり作型用の品種として有望である。

[キーワード]
ソラマメ、新品種、交2号、しみ症、冬春どり作型

[担当]
鹿児島農試・園芸部

[連絡先]電話099-268-3231	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
種皮しみ様褐変症(以下:しみ症)は1984年に指宿地域で確認され、その後も年によっては大発生し、大きな問題になっている。発生にはカルシウムや気象要因が関与していることがこれまでに明らかになっており、栽培技術面では葉面散布を中心とするカルシウム剤の施用と適切な播種期の設定で、発生防止対策を行っている。

また、しみ症の発生については遺伝性があることが明らかになっているので、しみ症の発生が少ない品種の育成を行う。

[成果の内容・特徴]
  1. 1993年度に「陵西一寸」を母に、「坊津選抜系統」を父として交配し、世代促進を繰り返して、1998〜1999年度に選抜・固定した系統である(表1図1)。

  2. しみ症の発生はL莢での発生莢率が3%以下であり、「ハウス陵西」、「指宿選抜」、「陵西一寸」に比べて極めて少ない(図2)。

  3. 収量性および品質は「ハウス陵西」、「指宿選抜」、「陵西一寸」とほぼ同程度である(図3)。

  4. 茎長は「ハウス陵西」、「指宿選抜」、「陵西一寸」に比べてやや長い(データ省略)。

  5. 花色は全て白色である(データ省略)。

  6. その他の形質は「陵西一寸」と同程度である(データ省略)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 鹿児島県の熊毛地域および南薩地域の夏まきの冬春どり作型に適応する。

  2. 夏まきでの早まきは、しみ症の発生を増加させる危険性が高いので、播種期は9月5日以降とする。

  3. しみ症の発生をさらに減少させるため、葉面散布を中心とするカルシウム剤の施用を併用する。

[具体的データ]

表1 育成の経過


図1 育成系統の系譜


図2 L莢のしみ症発生莢率


図3 階級別収量

[その他]
研究課題名:マメ類・イチゴの育種試験
予算区分 :県単
研究期間 :1993〜2003年度


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