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トルコギキョウの覆輪品種の覆輪を安定させるために必要な昼間の高温時間


[要約]
夜温を摂氏15度で管理する場合、トルコギキョウ覆輪品種の花色を安定させるには、第1花蕾発現以降、昼間摂氏30度の時間が4〜6時間必要である。生長点膨大〜雌ずい形成期の花芽では、花芽分化ステージが若い花芽ほど低温の感受性が高い。

[キーワード]
トルコギキョウ、花弁、覆輪、低温、高温

[担当]
熊本農研セ・農園研・花き研究室

[連絡先]電話096-248-6444	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
トルコギキョウの冬春採花の作型で覆輪品種を栽培すると、花色発現が不安定になり花弁の周辺や全体が着色した花が生じ、切り花品質の低下を招いている。昼間高温で管理すると覆輪が安定することが分かったので、昼間の摂氏30度の遭遇時間と花色発現との関係について調査した。

[成果の内容・特徴]
  1. 昼間摂氏30度の遭遇時間が長いほど、花弁の着色割合は低い(図1)。

  2. 昼間摂氏30度の遭遇時間が4時間以上では、覆輪発現が安定し、50%以上着色した花弁は見られないが、10時間では、着色割合が10%未満の花弁が20%以上生じる(図2図3)。

  3. 昼間摂氏30度の遭遇時間が2時間以下では、雌ずい形成期の第1花より、生長点膨大期〜花弁形成期にあった第3花〜第4花の方が花弁の着色割合が高く、花芽分化ステージが若い花芽ほど低温の感受性が高い(図1表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 供試品種に「メロウローズピコ」を用いて行った結果である。

  2. 試験は、未展開葉を2〜3枚開いて第1花蕾の発現を確認後開始した。

[具体的データ]

表1 試験開始時の第1〜4花の花芽分化ステージ


図1 昼温摂氏30度の遭遇時間が第1〜4花の花弁の着色割合に及ぼす影響


図2 昼温摂氏30度の遭遇時間と花弁の着色割合の頻繁分布


図3 花弁の着色状況と割合(左から着色割合3%、9%、20%、32%、49%、100%)

[その他]
研究課題名:トルコギキョウの覆輪発現の安定化
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2004年度


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