秋輪ギク「神馬」の潅水同時施肥技術
- [要約]
- 秋輪ギク「神馬」の潅水同時施肥栽培により、良品質の切り花を得るために必要な1日当たりの施肥窒素量は3.6mg/株である。また、潅水開始点をpF1.8からpF2.3として土壌水分を管理することにより品質は向上する。
- [キーワード]
- 秋輪ギク、神馬、施肥窒素量、土壌水分
- [担当]
- 熊本農研セ・農産園芸研・花き研究室
[連絡先]電話096-248-6444
[区分]九州沖縄農業・野菜・花き
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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点滴による潅水同時施肥栽培は、潅水および施肥を自動化できる省力技術として期待されている。そこで秋輪ギク「神馬」の潅水同時施肥栽培に対する、適正な窒素施肥量と自動潅水を用いる場合の適正な灌水開始点を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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- 点滴潅水同時施肥において、切花品質に優れる「神馬」が得られる時の窒素吸収量は、隔離ベンチ栽培においても地床栽培においても、25g/m2(≒390mg/株)程度であり、1日当たりの施肥窒素量は3.6mg/株程度である(表1、図1、図2)。
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定植前の土壌中無機態窒素が多い場合、1日当たり3.6mg/株の施肥窒素量では土壌に残存する無機態窒素が多いので、1日当たり2.2mg/株に減らしても3.6mg/株と同等の品質が得られる(表1、図1)。
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潅水同時施肥における潅水開始点をpF1.8〜2.3とすると品質の優れた切り花を得られる(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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この技術は黒ボク畑土壌の秋輪ギク「神馬」の施設栽培に適応できる。
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乾燥気味に管理すると秋輪ギクによる窒素吸収量が低くなる。
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[具体的データ]
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表1 土壌中無機態窒素量と施肥窒素量が「神馬」の切り花形質に及ぼす影響

図1 窒素供給量と「神馬」による窒素吸収量

表2 潅水開始点の違いが1月出し「神馬」の切り花形質に及ぼす影響

図2 1月出し「神馬」における窒素供給量と吸収量
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[その他]
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研究課題名:花きの潅水同時施肥法の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2000〜2003年度
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