チャ晩生品種「はるみどり」のかぶせ茶としての特性
- [要約]
- チャ品種「はるみどり」は、かぶせ茶として「やぶきた」より摘採期が5日遅く、一番茶の収量はほぼ同等であり、荒茶品質は外観の色沢が鮮緑色で優れる。内質は同等であるが異なった香気を有している。
- [キーワード]
- チャ、晩生品種、はるみどり、かぶせ茶
- [担当]
- 福岡農総試・八女分場・茶チーム
[連絡先]電話0943-42-0292
[区分]九州沖縄農業・茶業
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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現在、栽培されているチャ品種は「やぶきた」偏重であるため、摘採や製茶時期が集中し、過重労働を招いている。これらを改善するためには、「やぶきた」と組み合わせることができる優良な早・中・晩生品種の導入による摘採期間の拡大が必要である。
そこで、新たに野菜茶業研究所で育成されたチャ品種「はるみどり」について、かぶせ茶の適応性を明らかにし、優良品種普及のための資料とする。
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[成果の内容・特徴]
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中生品種「やぶきた」と比較した「はるみどり」のかぶせ茶としての特性は、以下のとおりである。
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摘採期は、5日遅い(表1)。
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遮光率80%程度で10日間程度の被覆では、茶芽の生育はほぼ同等である(データ略)。
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生葉収量は、ほぼ同等である(表1)。
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荒茶品質は、外観では色沢が鮮緑色で優れるが、内質ではほぼ同等である(表2)。
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荒茶の化学成分は、タンニン含有率がやや低い傾向である(表3)。
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[成果の活用面・留意点]
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晩生品種を選定するための資料として活用できる。
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剪枝後の枝条の生育がやや劣るので、中切り更新する場合は二番茶後は避け、一番茶後に行う。
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[具体的データ]
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表1 萌芽期・摘採期および生葉収量

表2 荒茶品質(官能評価)(3カ年平均)

表3 荒茶の化学成分含有率(%)(3カ年平均)
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[その他]
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研究課題名:茶の優良品種の選定
予算区分 :県単
研究期間 :1994〜2003年度
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