釜炒り茶の香味を活かした簡易製茶技術
- [要約]
- 釜炒り茶製造における連続殺青工程と連続通風乾燥工程の組み合わせにより、釜炒り茶の香味を活かした新しいタイプの茶を低コスト生産できる。
- [キーワード]
- チャ、釜炒り茶、簡易製茶、低コスト
- [担当]
- 佐賀茶試・製茶研究担当
[連絡先]電話0954-42-0066
[区分]九州沖縄農業・茶業
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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緑茶飲料等への需要に対応するため、釜炒り茶独特の香味を活かした新しいタイプの茶を、低コスト且つ短時間に得られる簡易製茶法を開発する。
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[成果の内容・特徴]
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釜炒りによる連続殺青工程と連続通風乾燥工程の組み合わせにより、従来の釜炒り製玉緑茶製造6工程の内、4工程を省くことが可能で、製造時間を従来比約40%に短縮できる(図1、表1)。
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工程短縮により、製造中の光熱費を従来法と比較して約50%削減できる(表2)。
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炒り葉(酵素殺青)時に発生する炭化物について、揉み込み工程をなくすことで混入による焦げ臭味等の発生を抑制できる(表2)。
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玉緑茶(曲玉状)整形する工程がなく、新しいタイプのお茶が製造できる(図2)。
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[成果の活用面・留意点]
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釜炒り抹茶及び粉末茶原料、ティーバッグ及びドリンク用原料茶の製造技術として活用できる。
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連続殺青工程は、従来の処理量(公称量の75%)及び殺青温度(釜底温度摂氏330〜350度)で行う。
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連続通風乾燥工程では、色沢の冴えを保つため、乾燥温度摂氏115〜125度で10〜15分間処理する。
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本製茶技術を利用する場合は、佐賀県特許権等の実施許諾に関する要領に基づき、実施許諾申し込み等の手続きが必要である。
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[具体的データ]
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図1 釜炒り茶の香味を活かした簡易製茶工程

図2 簡易製茶法(左)と従来法(かまいり製玉緑茶)の比較

表1 加工方法の違いによる製造時間の比較

表2 加工方法の違いによる光熱費及び荒茶性状の比較
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[その他]
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研究課題名:高品質釜炒り茶製造のための新技術の体系化と新商品の開発
新ブランド釜炒り茶開発のための商品規格化
予算区分 :県単
研究期間 :1997〜2004年度
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