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中切り更新後のクワシロカイガラムシに対する薬液散布量と防除効果


[要約]
中切り更新後に乗用型防除機を用いてクワシロカイガラムシの防除を行う場合、ダニ専用ノズルを装備して行うと、薬液散布量を400リットル/10aまで削減でき、年間を通じてクワシロカイガラムシの発生を抑えることができる。

[キーワード]
チャ、クワシロカイガラムシ、中切り更新、薬液散布量削減

[担当]
鹿児島茶試・環境研究室

[連絡先]電話0993-83-2811	
[区分]九州沖縄農業・茶業	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
クワシロカイガラムシ防除では通常1,000リットル/10aの薬液散布が行われているが、中切り更新後は葉層がなくなることから、散布量が600リットル/10a程度で高い防除効果が得られる。しかし、環境への影響を考慮すると更に散布量の削減が必要である。そこで、乗用型防除機を用いた中切り更新後のクワシロカイガラムシ防除における薬液散布量と薬液付着程度及び防除効果を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 中切り更新後にダニ専用ノズルを装備した乗用型防除機を用いて散布する場合、薬液散布量を400リットル/10aとしても、薬液付着量及びクワシロカイガラムシの死虫率は、600リットル/10aの散布と同等である(表1表2表3)。

  2. 散布次世代以降の雄繭発生量についても、散布量を400リットル/10aの散布で、年間を通じて発生を抑えることができる(表4)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 中切りの高さは50cm程度(10ヵ所平均)、供試薬剤はブプロフェジンフロアブル1,000倍でクワシロカイガラムシ第一世代幼虫ふ化最盛期の散布試験である。

  2. 乗用型防除機はダニ専用ノズルを装備したものを用い、散布圧は、1.96MPa(20kgf/cm2)とする。

[具体的データ]

表1 各散布区における薬液付着程度


表2 クワシロカイガラムシの防除効果(2003)


表3 クワシロカイガラムシの防除効果(2004)


表4 散布次世代以降のクワシロカイガラムシ雄繭発生量(2004)

[その他]
研究課題名:クワシロカイガラムシの省力・減農薬防除技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2003〜2004年度


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