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チャ赤焼病による一番茶減収と体系防除法


[要約]
チャ赤焼病の発生が一番茶萌芽期に発病葉率で6.6%以上になると、一番茶収量が10%以上減収する。チャ赤焼病による一番茶収量の減収を抑えるためには、初発生を確認後直ちに防除を行うことが必要である。

[キーワード]
チャ、チャ赤焼病、発病葉率、一番茶収量、減収、体系防除法

[担当]
鹿児島茶試・環境研究室

[連絡先]電話0993-83-2811	
[区分]九州沖縄農業・茶業	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
チャ赤焼病は、晩秋期から初春の低温期に発生する病害で、最も収益性の高い一番茶への影響が大きい。そこで、チャ赤焼病の発生が一番茶収量に及ぼす影響と防除法について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 赤焼病の発生により、一番茶収量は著しく減収する(図1)。10%減収水準は一番茶萌芽期の発病葉率で6.6%である。

  2. 発生が多くなると薬剤の防除効果は低下する(図2)。

  3. 初発生時に防除を行うと防除効果は高くなり、初発生から防除が遅れるほど防除効果は低くなる(表1)。

  4. 初発生時の防除1ヶ月後に2回目の薬剤散布する体系防除法で、一番茶の減収は抑えられる(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 本情報は初発生が1月以降にみられる場合に有効である。

  2. 発病葉率6.6%は慣行栽培園の発病葉数で約250枚/m2となる。


  3. 初発生時の防除をすみやかに実施することが薬剤の防除効果を高める上で必要である。

  4. 初発生は、赤焼病の発病適温期(平均気温で摂氏15度以下)に入る11月(初霜期)から2月にかけて、主に裾部にスポット的にみられる。

  5. 薬剤防除は、初発生時にカスガマイシン・銅水和剤(使用回数1回)で行い、その後はイミノクタジン酢酸塩・銅水和剤(使用回数2回)や銅水和剤(使用回数の制限なし)で行う。

[具体的データ]

図1 一番茶萌芽期におけるチャ赤焼病の発病葉率と減収率との関係


図2 散布時のチャ赤焼病発病葉率と防除率との関係


表1 散布時期別のカスガマイシン・銅水和剤の防除効果


表2 カスガマイシン・銅水和剤およびイミノクタジン酢酸塩・銅水和剤を用いた体系防除と一番茶収量

[その他]
研究課題名:赤焼病に関する試験
予算区分 :県単
研究期間 :1995〜2002年度


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