点滴施肥による茶園の窒素施肥量削減
- [要約]
- 10a当たり年間50kgの窒素施肥量を、樹冠下への点滴施肥により36kgまで削減しても、同等の収量と品質が得られる。
- [キーワード]
- チャ、点滴施肥、窒素施肥量、収量、品質
- [担当]
- 佐賀茶試・茶樹研究担当
[連絡先]電話0954-42-0066
[区分]九州沖縄農業・茶業
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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水質汚濁に関わる環境基準の面から、茶園においては年間窒素施肥量のさらなる削減が必要である。
そこで、現行の慣行基準より約30%削減した年間窒素施肥量36kg/10aで、その回数および濃度を変え、品質と収量の面から効果的な点滴施肥法を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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点滴施肥を行うと年間窒素施肥量36kg/10aで、50kg/10aの慣行施肥と同等の収量、品質が得られる(表1、図1)。
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点滴処理の分施回数は、生産性と施肥作業の効率を考慮すると6回がよい。
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[成果の活用面・留意点]
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点滴施設は干ばつ時には潅水用としても利用できる。
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液肥には尿素を使用し、不足する燐酸、カリ、石灰資材は、慣行に準じて施用する。
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10aあたりの肥料費は、点滴施肥(1.3万円/年)の場合慣行施肥(4.2万円/年)の32%、年間2.8万円安くなる。
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10aあたりの施設費(ラム17D点滴チューブ、配管フィルター一式)は25万円(減価償却費2.8万円)で、他に動力ポンプ(10万円)が必要である。
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[具体的データ]
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表1 試験区の構成

図1 一、二番茶の収量、品質および全窒素含量(2001年から2003年の平均)
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[その他]
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研究課題名:施肥削減下における生産性維持のための樹体直接施肥技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2000〜2003年度
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