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釜炒り茶製造工程への粗揉機導入効果


[要約]
釜炒り茶の製造で炒り葉工程後に粗揉機を組み込んで製造を行うと荒茶品質の内質では向上する傾向があるが、製造時間は長く、製造コストも高く、経済効果は少ない。

[キーワード]
チャ、釜炒り茶、製造、粗揉機、品質、製造効率

[担当]
宮崎総農試・茶業支場・加工科

[連絡先]電話0983-27-0355	
[区分]九州沖縄農業・茶業	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
釜炒り茶の製造現場では、製造ラインに煎茶用製茶機械である粗揉機を導入する製茶工場が多くなりつつある。また、粗揉機の使用方法に関しては風量、回転数は最低域で、工程時間は15分程度に設定して使用している場合が多く見られ、これらの条件下で製造された荒茶の品質およびコストに及ぼす影響に関して検討が行われていない。そこで、釜炒り茶製造工程においてこれらの粗揉機の設定条件が品質に及ぼす効果および経済性を確認する。

[成果の内容・特徴]
  1. 釜炒り茶製造工程で炒り葉機の後に粗揉処理を加えて加工した荒茶は、無処理の荒茶よりも内質が優れ、特に水色についてその傾向が強い(表1)。

  2. 炒り葉機の次に粗揉機を設置した場合は中揉工程の時間は短縮されるが、粗揉工程の時間が加算されるため全体の製造時間の短縮にはならず、製造効率の改善効果は少ない(図1)。

  3. 荒茶の入札単価は粗揉機の有無による差がほとんど見られず、燃料費は粗揉機を導入した場合には高くなることから、炒り葉機の次の工程として粗揉機を設置することによる経済効果は少ない(表2表3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 粗揉機の設定条件は回転数30rpm、風量14m3/分、工程時間15分である。

  2. 釜炒り茶製造工程への粗揉機導入時の資料となる。

  3. 製造各工程の機械及び配列順は、炒り葉機、粗揉機、揉捻機、中揉機、水乾機、乾燥機である。

[具体的データ]

表1 粗揉処理と製茶品質


図1 粗揉工程の有無による工程時間の差


表2 模擬入札による荒茶単価の比較


表3 35K型粗揉機及び中揉機1回処理分の燃料消費量と燃料費

[その他]
研究課題名:香り豊かなみやざき「かまいり茶」加工技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2003年度


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