乗用型茶摘採機の集葉袋に対応した脱水機
- [要約]
- 乗用型茶摘採機の集葉袋に対応した新型の脱水機を用いることで、1袋当たり1分間の作業時間で脱水できる。また、脱水処理後の生葉保管中の品質低下は、ぬれ葉をそのまま保管するより小さい。
- [キーワード]
- チャ、脱水機、荒茶製造、ぬれ葉、集葉袋
- [担当]
- 鹿児島茶試・加工研究室
[連絡先]電話0993-83-2811
[区分]九州沖縄農業・茶業
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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荒茶製造の現場においては製茶ラインの大型化、機械化体系による生産規模の拡大等により、従来摘採していなかった降雨日の摘採の頻度が増してきている。ぬれ葉で製造すると、茶葉の製茶機械へ付着や製造時間の延長により色沢や香味の低下を招く。また、燃料費等のコスト高に繋がる。更に、脱水機に生葉を直接投入すると葉傷み等品質低下が見られることから、脱水後直ちに製造を行うこととしている。ここでは乗用型摘採機で用いる集葉袋を直接投入できる脱水機を開発し、その性能と荒茶品質への影響を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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本機の脱水能力は、781rpm(40Hz)以上の回転数では同程度で十分な効果を示す(図2)。
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ぬれ葉処理による脱水率は60%以上で,生葉の吸水を考慮すると高い(表1)。
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脱水処理による荒茶品質は、ぬれ葉を脱水直後に製造した場合、脱水機の回転数による影響は認められない(表2)。
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本脱水機では処理後に保管することで、ぬれ葉をそのまま保管するより品質低下が小さい(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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松元式乗用型摘採機の集葉袋により生葉を収容する型式に適応できる。
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導入に当たっては、新たに必要な経費として脱水機の初期投資と労務費、節減できる経費に燃料費等のランニングコストがある。品質向上による荒茶単価の上昇まで含めた経済性を考慮する。
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[具体的データ]
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図1 脱水機写真

図2 脱水機の回転数と重量変化

表1 脱水機の回転数と脱水率

表2 脱水処理と荒茶品質
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[その他]
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研究課題名:生葉水分に応じた蒸熱、葉打技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2004年度
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