クワシロカイガラムシ第1世代幼虫のふ化消長と薬剤感受性
- [要約]
- クワシロカイガラムシほ場寄生枝における第1世代幼虫のふ化期間は1ヶ月におよんだ。薬剤感受性はふ化2週間後の2齢幼虫期まで高い。
- [キーワード]
- チャ、クワシロカイガラムシ、ふ化消長、薬剤感受性、2齢幼虫
- [担当]
- 長崎総農試・東彼杵茶業支場
[連絡先]電話0957-46-0033
[区分]九州沖縄農業・茶業
[分類]科学・参考
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[背景・ねらい]
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茶の難防除病害虫クワシロカイガラムシは全国的に発生面積が増加している。本害虫は樹冠内部に生息しているため防除適期であるふ化最盛期が把握しにくく、薬液がかかりにくい。また被害も大きいことから年間の効率的防除体系の確立が必要である。
そこで、より効率的な防除体系を検討するため、第1世代ふ化幼虫の発生消長と幼虫齢別の薬剤感受性について明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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ふ化幼虫の発生は約1ヶ月間にわたるが、ふ化幼虫初発生から12日後までに総発生幼虫数の約74%を占める。ふ化幼虫の初発生から7日〜12日後までの間に発生最盛期に達する(図1)。
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第1世代幼虫の薬剤感受性はふ化1週間後の1齢幼虫期、2週間後の2齢幼虫期では高かったが、3週間後の成虫期には低下する(表1、表2、表3)。
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[成果の活用面・留意点]
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今後、年間の効率的防除体系の確立に活用する。
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薬剤の感受性は、室内でふ化幼虫をカボチャに接種して調査した。
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クワシロカイガラムシ第1世代の調査であり、第2,3世代でも検討する必要がある。
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[具体的データ]
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図1 圃場寄生枝における第1世代幼虫のふ化消長(11枝/20枝中)

表1 クワシロカイガラムシ1齢幼虫の薬剤感受性

表2 クワシロカイガラムシ2齢幼虫の薬剤感受性

表3 クワシロカイガラムシ成虫の薬剤感受性
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[その他]
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研究課題名:気象と生育予測によるクワシロカイガラムシの防除
予算区分 :県単
研究期間 :2004〜2006年度
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