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短期輪作と太陽熱土壌消毒によるジャガイモ青枯病の防除


[要約]
ラッカセイ後作のジャガイモでは、青枯病が多発するが、ダイズ後作では青枯病の発生には影響は無く、また、前作の有無にかかわらず、夏場に太陽熱土壌消毒を行うことにより、高い青枯病防除効果を得ることが可能である。

[キーワード]
ジャガイモ青枯病、太陽熱土壌消毒、ラッカセイ、ダイズ

[担当]
沖縄県農試・病虫部・病理研究室、沖縄県農試・名護支場・畑作研究室

[連絡先]電話098-884-9908	
[区分]九州沖縄農業・病害虫	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
一般的に青枯病菌はウリ科、イネ科、マメ科作物の圃場では、増殖しにくいといわれている。そこで、ジャガイモの前作にマメ科作物であるラッカセイとダイズを栽培し、後作のジャガイモで青枯病の発生状況がどのように推移するかを検討する。また、ラッカセイとダイズの栽培後、太陽熱土壌消毒(以後:陽熱処理)を行い、青枯病の被害軽減効果についても検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. ジャガイモ青枯病菌はラッカセイに対しても青枯病を引き起こし(データ省略)、ラッカセイ後作のジャガイモにおいて高い青枯病発病率を示す。ダイズ後作のジャガイモでは、青枯病の発病率は前作無の区と同程度である(表1)。

  2. 前作の有無に関わらず、陽熱処理(平張)はクロルピクリンと比較してやや劣るかあるいは同等の防除効果を示す(表1)。

  3. 陽熱処理(畝立)では、畝間での病原菌の生存が確認され、青枯病が多発する(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. ジャガイモとラッカセイとの輪作は避ける必要があるが、ダイズ後作のジャガイモ栽培において青枯病の発病に影響はない。

  2. 陽熱処理(畝立)の畝間土壌では、畝間にたまる水の影響で青枯病菌が生存することから、陽熱処理(畝立)を行う場合には、圃場の立地条件を考慮する必要がある。

[具体的データ]

表1 平成12〜14年度における短期輪作と太陽熱土壌消毒によるジャガイモ青枯病の防除試験


表2 各種処理の概要

[その他]
研究課題名:九州・沖縄における畑作物活性化のための新しい持続的輪間作体系化技術の開発
      1.対抗作物等の耕種的手法による特定病害虫被害軽減技術の開発イ.対抗作物等の耕種的手法による特定病害虫防除技術の開発c.耕種的病害虫防除技術の開発
予算区分 :国庫助成
研究期間 :2000〜2003年度

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