Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成16年度目次

ZYMV弱毒株2002による宮崎県における露地キュウリモザイク病防除


[要約]
ZYMV弱毒株2002は宮崎県のZYMV強毒株に対し干渉効果が認められ、薬剤による媒介虫の防除を組み合わせることにより、高い防除効果が得られる。

[キーワード]
露地キュウリ、ZYMV、弱毒ウイルス、干渉効果

[担当]
宮崎総農試・生物環境部

[連絡先]電話0985-73-6448	
[区分]九州沖縄農業・病害虫	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
宮崎県の露地栽培キュウリにおいては、ZYMV等によるモザイク症状や急性萎凋症状の発生が多く、大きな生産阻害要因となっている。そこで京都府で開発された弱毒株2002を組み入れて効率的な防除技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 感染圧が高い条件下では、栽培末期には弱毒株2002接種区の感染株率は67%に達し、発病度も強毒株の感染により高まるが、無接種区と比較して、発病度は有意に低く推移する(表1図1表2)。

  2. アブラムシ類を対象に定植時の粒剤処理と7〜10日間隔の薬剤散布を行い、感染圧を低くすることによって、弱毒株2002接種区では栽培終期まで発病がよく抑えられ,A品収量は無処理区を大きく上回る(表1図1表2図2)。

  3. 以上の結果から、弱毒株2002は宮崎県のZYMV強毒株に対し干渉効果が認められ、アブラムシ類に対する薬剤防除を組み合わせることにより、高い防除効果が得られる。

[成果の活用面・留意点]
  1. 試験は2カ年とも、宮崎県で分離された同一のZYMV強毒株を供試して、宮崎総農試内の露地ほ場で実施したものであり、さらに現地ほ場での実用性検討を重ねる必要がある。

  2. 平成14年はWMVの自然感染により、ZYMVとWMVとの混合感染条件下の試験であったが、弱毒株2002区と無接種区の発病度の差はZYMVの感染株率の差によると思われる。

[具体的データ]

表1  アブラムシ防除および耕種の概要


図1  発病度の推移


表2  ウイルス検出株率a)


図2  1日当りA品本数の推移(平成15年)

[その他]
研究課題名:生物防除資材を活用した環境にやさしい防除技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2003年度


目次へ戻る