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罹病樹周辺におけるカンキツグリーニング病の拡大推移


[要約]
カンキツグリーニング病は、罹病樹周辺の樹へ拡大する可能性が高い。

[キーワード]
カンキツ、グリーニング病、罹病樹

[担当]
鹿児島果樹試・病虫研究室

[連絡先]電話0994-32-0179	
[区分]九州沖縄農業・病害虫、果樹	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
カンキツグリーニング病は、平成14年4月に本県では与論町で初めて発生が確認された。その後、奄美諸島の奄美大島を除く3島へ被害が拡大しており、効果的な防除対策の確立が急務である。

そこで、罹病樹周辺の樹への被害拡大の実態を明らかにするため、PCR検定で罹病樹が確認された与論町内の3ほ場のカンキツ類を対象に、病徴の有無を肉眼診断し、PCR検定で罹病を確認する。なお、PCR検定で陽性が確認された樹を罹病樹とする。

[成果の内容・特徴]
  1. 平成14年4月の罹病確認樹は、ほ場A、Bでは各1本、ほ場Cでは0であったが、平成15年10月までの間にほ場A、B及びCでは各々13本、31本、23本の罹病が確認されている(表1表2)。

  2. ほ場Bでは、罹病樹が伝染源となり短期間で周辺へ被害が拡大している可能性がうかがえる(図1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 罹病と確認された樹は、原則として数ヶ月以内に伐採され、媒介昆虫であるミカンキジラミも同時に薬剤防除している。

  2. 調査ほ場は、鹿児島県本土で生産された苗木やほ場内で生産された実生苗などが植栽されており、ほ場内に定植後感染、または実生苗成育中に感染した可能性が高い。

[具体的データ]

表1 カンキツグリーニング病の罹病本数の推移(平成14年)


表2 カンキツグリーニング病の罹病本数の推移(平成15年)


図1 カンキツグリーニング病の感染推移(平成15年10月、ほ場B)

[その他]
研究課題名:難防除病害カンキツグリーニング病の被害拡大阻止技術の開発
予算区分 :高度化事業
研究期間 :2003〜2005年度


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