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シルバーリーフコナジラミの雑草における発生消長


[要約]
冬春トマト栽培地域に自生する雑草において、シルバーリーフコナジラミ成虫は4月下旬から11月まで発生し、6月に大きなピークと8月〜9月に小さなピークがみられる。12月〜翌年3月には発生は認められない。

[キーワード]
シルバーリーフコナジラミ、雑草、発生消長、冬春トマト

[担当]
熊本農研セ・生環研・病害虫研究室

[連絡先]電話096-248-6490	
[区分]九州沖縄農業・病害虫	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
シルバーリーフコナジラミは、トマト黄化葉巻ウイルスを媒介する唯一の害虫である。そのため、トマト黄化葉巻病の発生防止にあたっては、シルバーリーフコナジラミの防除が重要であるが、本種の発生生態については不明な点が多い。そこで、トマト黄化葉巻病が発生している冬春トマト栽培地域に自生する雑草を対象に、野外におけるシルバーリーフコナジラミの発生消長を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 調査を行った17種の雑草のうち、8種の雑草にシルバーリーフコナジラミ成虫が寄生し、ノゲシ、セイタカアワダチソウ、アキノノゲシおよびクズでは蛹も寄生する(表1)。

  2. 雑草におけるシルバーリーフコナジラミ成虫の密度は、年次や地域により異なる。同一年次、同一地域における発生消長は、雑草の種類に関係なく同様の傾向を示す。具体的には、4月下旬から11月まで発生し、6月に大きなピークと8月〜9月に小さなピークがみられる。12月〜翌年3月には寄生は認められない(図1)。

  3. 雑草で確認されるシルバーリーフコナジラミの大部分は成虫であり、蛹の寄生はほとんどないことから、雑草はシルバーリーフコナジラミの主な増殖場所ではない。

[成果の活用面・留意点]
  1. 平坦地の冬春トマト栽培地域での調査結果である。

  2. 冬春トマト栽培地域では、セイタカアワダチソウ、アキノノゲシは多くみられるが、ノゲシ、クズは少ない。

  3. 雑草は、シルバーリーフコナジラミ成虫の生息場所となるので、ハウス周辺は除草する。

[具体的データ]

表1 雑草におけるシルバーリーフコナジラミの寄生状況(2001〜2003年度)


図1 雑草におけるシルバーリーフコナジラミ成虫および蛹の発生消長

[その他]
研究課題名:トマト黄化葉巻病の病原ウイルス及び媒介虫シルバーリーフコナジラミの生態解明に基づく環境保全型防除技術の確立
予算区分 :国庫(地域新技術)
研究期間 :2001〜2003年度


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