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シルバーリーフコナジラミ成虫の薬剤感受性検定法


[要約]
キャベツ葉と小型プラスチックシャーレを使用した簡易な薬剤感受性検定法(熊本法)は、従来の検定法(浜村法)と比べて簡便で、一度に多くの検定が可能であり、精度も同等である。

[キーワード]
シルバーリーフコナジラミ、感受性検定、薬剤、キャベツ

[担当]
熊本農研セ・生産研・病害虫研究室

[連絡先]電話096-248-6490	
[区分]九州沖縄農業・病害虫	
[分類]科学・参考	

[背景・ねらい]
生産現場ではシルバーリーフコナジラミに対する薬剤の防除効果の低下が懸念されているため、薬剤感受性の把握が必要である。シルバーリーフコナジラミ成虫の薬剤感受性検定法として、キャベツ葉を用いた浜村(1999)の方法(以下、浜村法)が報告されている。しかし、検定に用いる容器が大きく、試験の準備作業等が煩雑で時間が掛かるため、薬剤の種類や反復を増やすことが困難である。そこで、より簡易な薬剤感受性検定法(以下、熊本法)を開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. キャベツ葉と小型プラスチックシャーレを用いた熊本法の検定手順を図1に示す。

  2. 熊本法における無処理の120時間後の生存率は、浜村法と同様に高く、ピメトロジン水和剤等の遅効的な薬剤の感受性が評価できる(図2)。

  3. 薬剤感受性の評価は、LC50値が安定する成虫放飼の120時間後に行う(図3)。

  4. 2種の検定法におけるLC50値の比較では、同様な傾向であり、熊本法の利用は可能である(図3)。

  5. 熊本法は試験容器を作製する必要があるが、浜村法と比べると放飼前までの準備作業等が簡便である。また、浜村法の1検体に必要なスペースにおいて、熊本法では約6検体が検定可能であり、検定に必要なスペースは小さい。

  6. 成虫の生死の判定は、実体顕微鏡やルーペ等を用いる。

[成果の活用面・留意点]
  1. 一度に多くの感受性検定が可能であり、緊急的な対応が図られる。

[具体的データ]

図1 熊本法によるシルバーリーフコナジラミ成虫の感受性検定手順


図2 熊本法と浜村法の2種の検定法における無処理でのシルバーリーフコナジラミ成虫の生存率


図3 熊本法と浜村法の2種の検定法におけるシルバーリーフコナジラミ成虫の薬剤感受性の経時的比較

[その他]
研究課題名:野菜作病害虫発生予察事業
予算区分 :国庫
研究期間 :2003〜2004年度


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