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キクの生育障害に関与しているネグサレセンチュウの種類


[要約]
宮崎県の主産地で発生しているキクの生育不良や下位葉の黄化・落葉などの障害はネグサレセンチュウの影響と考えられる。検出されるネグサレセンチュウの種は、北・西諸県地域ではキタネグサレセンチュウと未記録種、西臼杵地域ではキタネグサレセンチュウである。

[キーワード]
ネグサレセンチュウ、キク、キタネグサレセンチュウ

[担当]
宮崎総農試・生物環境部・害虫科

[連絡先]電話0985-73-6448	
[区分]九州沖縄農業・病害虫	
[分類]科学・参考	

[背景・ねらい]
宮崎県の主要なキクの産地である北・西諸県郡と西臼杵郡において、近年、連作ほ場を中心に生育が悪く、下位葉が黄化・落葉するなどの障害が発生してきており、問題となっている。その原因を解明し、防除対策に資する。

[成果の内容・特徴]
  1. 宮崎県の主要なキクの産地である北・西諸県郡と西臼杵郡において、生育不良や下位葉の黄化・落葉などの障害が発生しているほ場の土壌や根部からはネグサレセンチュウが高率に検出されることから、これらの障害はネグサレセンチュウによる影響と考えられる。

  2. 北・西諸県地域の小林市、高原町、野尻町、高崎町のキクの生育不良ほ場では、唇部体環が2で、口針長が14〜15μm、V値が約76%、楕円形の受精嚢をもつ点などから、国内外で報告事例のない未記録種と考えられる種が発生している。

  3. 西臼杵地域の高千穂町と五ヶ瀬町、西諸県地域の野尻町と須木村ではキタネグサレセンチュウが発生しており、多犯性の本種が宮崎県内でも広く分布している可能性が示唆される。

[成果の活用面・留意点]
  1. 各種による被害の拡大を防ぐため、関係者や各機関に対し、地域を超えた苗や土壌の移動、特に線虫害が発生しているほ場からの持ち込み・持ち出しに注意・喚起を促す必要がある。

  2. その他の地域の発生種についても調査する必要がある。

[具体的データ]

表1 各市町村のキク栽培ほ場に発生するネグサレセンチュウ雌成虫の形態計測値

[その他]
研究課題名:花き類の不詳病害及び生理障害の原因解明と防除技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2003年度


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