性フェロモントラップによるウワバ類の誘殺消長
- [要約]
- 性フェロモントラップへのウワバ類の誘殺数は、イラクサギンウワバがタマナギンウワバに比べて多く、イラクサギンウワバの誘殺ピークは年間5〜6回認められる。
- [キーワード]
- イラクサギンウワバ、タマナギンウワバ、性フェロモントラップ
- [担当]
- 鹿児島県農業試験場・病虫部
[連絡先]電話099-268-3231
[区分]九州沖縄農業・病害虫
[分類]科学・参考
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[背景・ねらい]
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イラクサギンウワバは日本では以前から分布しているが、農業害虫として認識されたことがほとんどない。ところが、本種は2000年に鹿児島県、兵庫県のキャベツ圃場で加害が確認されて以来、全国各地のアブラナ科、ナス科、オクラ、ニンジン圃場などで認められている。
そこで、本研究では、イラクサギンウワバの発生状況を明らかにするために、イラクサギンウワバとタマナギンウワバのそれぞれの性フェロモントラップを用い、鹿児島県薩摩半島における両種の誘殺状況を調査した。
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[成果の内容・特徴]
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イラクサギンウワバおよびタマナギンウワバ雄成虫の性フェロモントラップによる誘殺数は、いずれでもイラクサギンウワバがタマナギンウワバに比べて多い(表1)。
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性フェロモントラップへのイラクサギンウワバの誘殺ピークは指宿市、鹿児島市のいずれでも年間5〜6回認められる(図1)。
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[成果の活用面・留意点]
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イラクサギンウワバの防除の基礎資料として利用できる。
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圃場での発生状況についての調査も今後必要である。
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[具体的データ]
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表1 性フェロモントラップへのウワバ類の年次別誘殺数

図1 性フェロモントラップでのイラクサギンウワバの発生消長(2003年)
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[その他]
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研究課題名:性フェロモン利用による害虫類の環境保全型防除技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2003年度
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