アスパラガス栽培におけるもみがら牛ふん堆肥の適正施用量
- [要約]
- 半促成長期どりアスパラガス栽培におけるもみがら牛ふん堆肥施用量は、定植初年目に年間10t/10a施用、2、3年目には年間4t/10a施用で安定的な収量確保ができ、土壌中の交換性カリの過剰蓄積が避けられる。
- [キーワード]
- アスパラガス、牛ふん堆肥、交換性カリ
- [担当]
- 長崎総農林試・環境部・土壌肥料科
[連絡先]電話0957-26-3330
[区分]九州沖縄農業・生産環境(土壌肥料)
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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半促成長期どりアスパラガス栽培体系では、他作物に比べ多量の堆肥が施用されており現場では定植前20t/10a以上、2年目から10t/10a程度施用されるのが一般的となっている。そこで今回、アスパラガスにおける堆肥施用量の違いが収量や土壌の養分動態に及ぼす影響を明らかにし、アスパラガスに対する適正なもみがら牛ふん堆肥施用量を検討する。
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[成果の内容・特徴]
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もみがら牛ふん堆肥施用量は定植初年目10t/10a、2年目以降4t/10aでアスパラガスの安定収量が維持できる(図1)。
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土壌中の交換性カリ含量は、2年目以降10t/10aの連用では上昇するが、4t/10a施用では定常状態で推移する(表1)。
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堆肥施用量の増加に伴い、層位0〜15cm土壌での硝酸態窒素濃度が高くなる傾向にあり、特に堆肥施用直後は高濃度となる(図2)。
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2年目以降の堆肥10t/10a施用は4t/10a施用に比べ層位5〜10cmにおいて気相率が増加し、有効水分が減少する。2年目以降の堆肥は表層に施用するため、多施用しても層位30〜35cmの三相分布及び有効水分への改善効果が小さい(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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黄色土で行った結果である。
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現地の土壌診断値と堆肥の肥効を考慮に入れた施肥の検討が必要である。
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[具体的データ]
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図1 もみがら牛ふん堆肥施与量の差によるアスパラガスの収量

表1 土壌中の交換性カリ(K2O)の変化

表2 アスパラガス土壌の物理性

図2 土壌中の硝酸態窒素濃度
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[その他]
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研究課題名:たい肥等有機物・化学肥料適正使用指針策定調査
予算区分 :国庫(土壌機能増進)
研究期間 :2000〜2004年度
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