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年内どりレタスの硝酸化成抑制剤入り肥料を用いた減肥栽培


[要約]
年内どりレタス栽培において、硝酸化成抑制剤入り肥料を用い窒素施肥量を慣行の40%削減した施肥法は慣行と同程度の収量が得られ、植物体中の硝酸含量も低減できる。

[キーワード]
レタス、硝酸化成抑制、硝酸含量

[担当]
長崎総農林試・環境部・土壌肥料科

[連絡先]電話0957-26-3330	
[区分]九州沖縄農業・生産環境(土壌肥料)	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
レタスなどの葉菜類への効果的な施肥を行うには、作物の生長に応じた養分供給により窒素肥料の利用率の向上を図る必要がある。本県既往成果では被覆肥料を用い慣行窒素施肥量の20%減肥で慣行並の収量確保が確認されている。そこで、硝酸化成抑制剤入り肥料を用いた効率的施肥を確立することで、窒素肥料流亡の軽減及び植物体中の硝酸含量低減を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. 硝酸化成抑制剤入り肥料を用いると窒素施肥量を40%削減しても収量は慣行区と同程度となり、施肥窒素の利用率も向上する(表2)。

  2. 結球部中の硝酸含量は作土中の硝酸態窒素濃度が高いほど増加する(図1図2)。

  3. 作土中の硝酸態窒素濃度は慣行区が最も高く推移し、硝酸化成抑制剤入り肥料を用い減肥すると収穫時期の作土中硝酸態窒素濃度は低濃度となる。一方、アンモニア態窒素濃度は硝化抑制剤入り肥料を用い減肥しても、慣行区より高く推移する(図2図3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 堆肥の施用量や原料の違いによる窒素肥効や硝酸化成能を考慮に入れたレタスの施肥体系を検討する必要がある。

  2. 黄色土で行った試験結果である。

[具体的データ]

表1 供試肥料の窒素形態(%)


表2 年内どりレタスの収量及び窒素吸収量


図1 レタス結球部中の硝酸含量


図2 作土中の硝酸態窒素濃度(株間)


図3 作土中のアンモニア態窒素濃度(株間)

[その他]
研究課題名:野菜の効率的施肥法
予算区分 :受託
研究期間 :2002〜2003年度


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