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硬質小麦「ミナミノカオリ」の最適播種時期


[要約]
硬質小麦「ミナミノカオリ」において、収量性が優れ、生地の物性が良好で、製パン適性が優れる播種時期は11月20日頃である。

[キーワード]
生地の物性、グルテン、製パン適性、播種時期、ミナミノカオリ

[担当]
福岡農総試・豊前分場・野菜水田作チーム

[代表連絡先]電話0930-23-0163	
[区分]九州沖縄農業・水田作	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
硬質小麦「ミナミノカオリ」は西南暖地で栽培できるパン用小麦品種として、福岡県で準奨励品種として採用され、普及拡大が期待されている。しかし、播種時期と収量性や製パン適性の関係は明らかではない。そこで、「ミナミノカオリ」の播種時期と生育、収量、グルテンの質や量、生地の物性、パン比容積などの製パン適性との関係を検討し、収量性や製パン適性が優れる最適播種時期を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 標準播(11月18〜22日播)は早播(11月6〜10日播)や遅播(11月28〜12月1日)と比べm2当たり粒数が多く、収量が高い傾向がみられる。容積重、検査等級、フォーリングナンバー値は播種時期による差はみられない(表1)。

  2. A粉タンパク質含有率は播種時期による差はみられないが、標準播は早播と比べて、グルテンインデックスが高く、グルテンの質が良好である。また、標準播はバロリメーターバリューが高く、生地の物性が優れ、パン比容積が大きく、製パン適性が優れる(表2)。

  3. 以上の結果から、「ミナミノカオリ」の最適播種時期は収量性と製パン適性からみて標準播の11月20日頃である。

[成果の活用面・留意点]
  1. 出穂後約10日に実肥として窒素を10a当たり4kg施用する(2004年成果情報)。

  2. 福岡県麦栽培技術指針に掲載する。

[具体的データ]

表1 播種時期と小麦「ミナミノカオリ」の生育、収量、品質(2001、2002、2004年)


表2 播種時期と小麦「ミナミノカオリ」の製パン適性(2001〜2003年)

[その他]
研究課題名:九州における早播適応性小麦の早熟化栽培技術等の確立
予算区分 :国庫受託(ブラニチ1系)
研究期間 :2001〜2004年度


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