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早期水稲「さきひかり」の施肥法と刈取適期


[要約]
早期水稲「さきひかり」に適した施肥法は、基肥窒素施用量が0.7kg/a、穂肥窒素施用量が0.3kg/aで施用時期は出穂前20〜25日である。刈取適期は、成熟期前4日〜成熟期後2日(登熟期の積算気温:摂氏940度〜1110度)である。

[キーワード]
イネ、早期水稲、さきひかり、施肥法、穂肥、刈取適期

[担当]
宮崎総農試・作物部・栽培科

[代表連絡先]電話0985-73-2126	
[区分]九州沖縄農業・水田作	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
早期水稲の新品種「さきひかり」は、主力品種「コシヒカリ」に比べ食味が良く、短稈で倒伏に強く多収であり、成熟期が10日程度遅いため、作期分散が図れる利点がある。一方、心白粒の発生がやや多く、外観品質が劣るという欠点がある。そこで、品種の特性を生かした栽培法を確立するため、施肥法や刈取適期を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 「さきひかり」は、基肥窒素施用量0.7kg/aで穂数が多くなり千粒重が重いことから「コシヒカリ」の標肥(窒素施用量0.5kg/a)より30%程度増収するが、草丈・稈長は「コシヒカリ標肥並で倒伏は見られない。

    また、白米タンパク含量は「コシヒカリ」標肥より低く、食味・品質は低下しない(表1表2)。

  2. 「さきひかり」の穂肥施用時期は、出穂前20〜25日が適当である。出穂前15日では、籾数減により収量が10%程度減収し、心白粒が増加する傾向である(表3)。

  3. 「さきひかり」の刈取適期は、成熟期前4日〜成熟期後2日(登熟期の積算気温:摂氏940度〜1110度)である。

    成熟期前7日では、青未熟米が25%と多く、品質が成熟期よりやや劣る。

    成熟期後4日では、茶米が19%と多く、品質が成熟期よりやや劣る。また、食味が成熟期より5%水準で有意に劣る(表4)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 本成果は、地力中庸な沖積土水田の早期水稲稚苗移植栽培に適用する。

  2. 「コシヒカリ」の穂肥施用時期は、出穂前15〜20日である。刈取適期は、登熟期の積算気温で摂氏750度〜800度である。

[具体的データ]

表1 基肥窒素施用量の違いが生育に及ぼす影響(2003年)


表2 基肥窒素施用量の違いが収量構成要素及び品質、食味に及ぼす影響(2003年)


表3 穂肥施用時期の違いが収量構成要素及び品質、食味に及ぼす影響(2004、2005年)


表4 刈取時期の違いが収量構成要素及び品質、食味に及ぼす影響(2004年)

[その他]
研究課題名:温暖化に適応した高品質・良食味米生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2003〜2005年度


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