大豆の播種期早進化における畦表面硬化法の安定生産栽培技術
- [要約]
- 畦表面硬化法は、降雨後の排水が迅速で、出芽率は安定して高い。生育量の多くなる播種期早進化での安定生産を図るには、播種深度を5〜8cmとし、播種密度を8.9〜13.3株/m2(1株2本立て)にするとことが効果的である。
- [キーワード]
- 播種期、畦表面硬化法、播種深度、播種密度
- [担当]
- 熊本農業研究センター・農産園芸研究所・作物研究室
[代表連絡先]電話096-248-6444
[区分]九州沖縄農業・水田作
[分類]技術・参考
-
[背景・ねらい]
-
大豆の作柄が不安定となる大きな要因として、土壌水分の過多による出芽不良、多収を目的とした密植栽培での耐倒伏性の低下があげられる。そこで、培土作業が不要で、排水を迅速にできる畦表面硬化法を導入し、生育量の増加による増収が期待できる早播き栽培での栽培条件を検討した。
-
[成果の内容・特徴]
-
-
畦表面硬化法の出芽率は、畦の高さに左右されず、標準(培土)栽培法に比較しても大きな差はなく、90%以上確保できる(図1)。
-
畦表面硬化法では、降雨後の迅速排水が可能である(図2)。
-
畦表面硬化法の単位面積当たりの子実重は、播種深度を5〜8cm、播種密度が8.9〜13.3株/m2とするほど、また、培土を行う標準栽培法より重くなる傾向にある(図3)
-
畦表面硬化法の耐倒伏性は、播種密度を8.9〜13.3株/m2と高くしても、播種深度を5〜8cmにすると耐倒伏性が向上する(図3)。
-
[成果の活用面・留意点]
-
-
大豆播種の早進化における耐倒伏性の向上及び安定生産技術開発の一助となる。
-
水田転換畑(黒ボク土壌)における成果である。
-
供試品種は、フクユタカである。
-
雑草管理には、除草剤の散布が必要である。
-
表面硬化畦の造成は、降雨2〜3日後に行う。
-
[具体的データ]
-

図1 異なる栽培法・畦の高さと出芽率

図2 播種後5日間のPFの推移(2003)

図3 子実重と倒伏程度(播種期6月17日・19日/2004、2005年の平均)
-
[その他]
-
研究課題名:畦表面硬化法を用いた迅速排水による湿害回避技術の開発
予算区分 :交付金プロ(ブラニチ2系)
研究期間 :2002〜2005年度
目次へ戻る