無浸漬でも食味が良好な水稲品種の指標形質
- [要約]
- 浸漬して食味が良好な品種は、無浸漬でも食味が良好である。また、無浸漬でコシヒカリ並に食味が良好な品種はテクスチャー特性が優れるとともに、精米の吸水速度が速いことから、両形質は無浸漬でも食味が良好な品種選定の指標形質として有効である。
- [キーワード]
- イネ、食味、浸漬、テクスチャー特性、吸水速度
- [担当]
- 福岡農総試・農産部・水稲育種チーム
[代表連絡先]電話092-924-2937
[区分]九州沖縄農業・水田作
[分類]科学・参考
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[背景・ねらい]
- 外食産業において、洗米後の浸漬は食味向上に欠かすことのできない重要な工程である。しかし、炊飯作業の効率化の観点から、作業工程において待ち時間となる浸漬作業の省力化が求められている。そこで、炊飯における浸漬の有無が食味官能に与える影響を検討することによって、無浸漬でも食味が良好な品種選定のための指標形質を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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無浸漬の炊飯米(無浸漬米)の食味は、浸漬した炊飯米(浸漬米)に比べて有意に劣り(表1)、浸漬米で食味が良好な品種は、無浸漬米でも良好な傾向にある(図1)。
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無浸漬で炊飯しても、食味が基準米コシヒカリ並に良好な品種(つくしろまん、ヒノヒカリ、つやおとめ、夢つくし、あきさやか)が認められる。一方で、浸漬米で食味が優れるものの、無浸漬米で劣る品種(コシヒカリ、ちくし59号)が認められる(図1)。
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無浸漬米でコシヒカリ並に食味が良好な品種は、テクスチャー特性が優れるとともに、精米の吸水速度が速いことから(表2、表3)、両形質は無浸漬での炊飯に適する品種選定の指標形質として有効である。
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[成果の活用面・留意点]
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生産力検定世代での炊飯作業の省力化に対応した、無浸漬での炊飯に適する品質評価のための指標形質として活用する。
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[具体的データ]
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表1 浸漬米および無浸漬米の食味総合評価
図1 浸漬米と無浸漬米との食味総合値の関係
表2 炊飯米の食味官能評価と米の理化学的特徴との関係
表3 良食味品種において無浸漬米の食味が異なる品種群間のテクスチャー特性と吸水速度の比較
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[その他]
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研究課題名:新たな食味・健康志向等、多様な需要に応じた品種の育成
予算区分 :県単
研究期間 :2004年度(2000年〜継続)
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