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黒毛和種肥育牛に給与されている粗飼料のビタミンA含量


[要約]
天日架乾燥稲ワラのビタミンA(VA)含量はロールベール調製稲ワラと比べVA含量が高い。輸入ワラの代替品利用が多いオーツ乾草およびフェスクストローのVA含量は、輸入ワラのVA含量よりも高いが、天日架乾燥した稲ワラよりも低い。

[キーワード]
ウシ、肉用牛、稲ワラ、ビタミンA含量、輸入ワラ、オーツ乾草

[担当]
鹿児島畜試・肉用牛部

[代表連絡先]電話0995-48-2185	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(大家畜)	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
黒毛和種の肥育では、脂肪交雑の向上を目的に肥育中期にビタミンA(VA)の給与を制限し、血中VA濃度を低い水準にコントロールする肥育技術が普及している。しかし、VA制限が厳しすぎると夜盲症、発育不良および筋肉水腫が発生することが報告されている。肥育牛へのVA供給源としては濃厚飼料中のVA製剤および粗飼料中のβ-カロテンが考えられるが、粗飼料中のβ-カロテン含量についての分析値は少ない。そこで、肥育農家で実際に利用されている粗飼料中の原物中β-カロテン含量を分析し、VA含量を算出することで肥育牛のVAコントロールの基礎資料とする。

[成果の内容・特徴]
  1. 肥育農家から採取した11種類の粗飼料のβ-カロテン含量を測定し,原物中のVA含量を算出すると原物中VA含量の平均値は、バミューダグラス乾草で最も高く、ロールベール調製した稲ワラで最も低い(表1)。

  2. 天日架乾燥稲ワラのVA含量はロールベール調製稲ワラと比べ高い(表1表2)。

  3. 輸入ワラの代替品としての利用が多いオーツ乾草およびフェスクストローのVA含量は輸入ワラのVA含量よりも高いが、その値は天日架乾燥稲ワラのVA含量よりも低い(表2)。

  4. 肥育前期用の粗飼料として利用が多いチモシー乾草53試料のVA含量の基本統計量は、最小値90IU/kg、最大値28691IU/kg、平均5378IU/kgである。しかし、75パーセンタイル値で6895IU/kg、90パーセンタイル値で15673IU/kg程度であり、15000IU/kgを超えるようなVA含量の高いチモシー乾草は10%程度である(表1表2)。

  5. 肥育農家で利用されていた粗飼料のVA含量は、最小値と最大値の範囲が広く平均値が50パーセンタイル値よりも高い値になっている。実際の飼料給与設計にはパーセンタイル値の利用が適当であると考えられる(表1表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 肥育牛におけるVAコントロールの飼料給与設計に利用できる。

  2. 今回の分析値は鹿児島県内の肥育農家が給与している粗飼料を平成15〜17年に採取し、分析したものである。

[具体的データ]

表1 肥育農家から採取した粗飼料の原物中ビタミンA含量(IU/kg)1の基本統計量


表2 肥育農家から採取した粗飼料の原物中ビタミンA含量(IU/kg)1のパーセンタイル値2

[その他]
研究課題名:低コスト・高品質牛肉生産のための飼養技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2003年〜2005年度


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