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晩夏播きにおける飼料麦単播と飼料麦・イタリアンライグラス混播の適草種・品種


[要約]
飼料麦・イタリアンライグラス混播ではエンバク「スーパーハヤテ隼」又はライムギ「春一番」とイタリアンライグラス晩生品種「マンモスB」の組み合わせ、飼料麦単播ではライムギ「春一番」が高い乾物収量を得られる。

[キーワード]
晩夏播き、飼料麦、イタリアンライグラス、混播、品種

[担当]
福岡農総試・畜産環境部・飼料チーム

[代表連絡先]電話092-925-5177	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(草地飼料作)	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
飼料麦単播や飼料麦・イタリアンライグラス混播の晩夏播き栽培は、主に早播きトウモロコシや早期水稲の後作として普及している。その中で、晩夏播きした飼料麦は登熟が不安定になりやすく、また、飼料麦には草種や品種も多いため、適草種・品種に関し不明な点が多い。このため、晩夏播きした飼料麦単播及び飼料麦・イタリアンライグラス混播の収量性を比較検討し、適草種・品種を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 晩夏播きする場合には、飼料麦とイタリアンライグラスを混播すると、それぞれの単播に比べ、安定して高い乾物収量を得ることが可能である(表1表2)。

  2. 単播の中では、飼料麦のライムギ「春一番」の再生力は強く、安定して2番草までの収穫が可能であるため、1.5t/10a程度の乾物収量が得られ、飼料麦・イタリアンライグラス混播と比べても同等の乾物収量である(表1表2)。

  3. 晩夏播きで飼料麦とイタリアンライグラスを混播する場合、利用するイタリアンライグラスは、どの麦品種と組み合わせる場合でも、晩生品種「マンモスB」がよく、中でもエンバク「スーパーハヤテ隼」又はライムギ「春一番」と組み合わせると、1.5t/10a程度の高い乾物収量が得られる(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 飼料作物の晩夏播き栽培を行う際に活用できる。

  2. 飼料麦の生育期間は草種により大きく異なるので、後作の栽培時期を考慮して草種を決める必要がある。

[具体的データ]

表1 晩夏播きにおける単播の乾物収量(平成14〜15年)


表2 晩夏播きにおける混播の乾物収量(平成14〜15年)

[その他]
研究課題名:暖地における飼料麦の安定栽培技術開発
予算区分 :受託(21プロ3系、ブラニチ3系)
研究期間 :2001〜2005年度


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