採卵鶏における重曹・ビタミンC製剤投与による暑熱対策効果
- [要約]
- 産卵前期では、夏期の採卵鶏に対する重曹・ビタミンC製剤0.2%添加投与により、暑熱ストレスによる鶏の飼料消費量の低下が抑制され産卵性が向上する。
- [キーワード]
- 採卵鶏、暑熱対策、重曹・ビタミンC製剤
- [担当]
- 佐賀畜試・中小家畜部・養鶏研究担当係
[代表連絡先]電話0954-45-2030
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(豚・鶏・畜産環境)
[分類]技術・参考
-
[背景・ねらい]
- 西南暖地である本県では、夏期の採卵鶏に対する暑熱ストレスは産卵成績に大きな影響を及ぼし生産性低下の重要な要因である。特に、ラニーニャ現象やヒートアイランド現象など近年、地球温暖化が叫ばれており、夏の暑さは今後更に厳しいものになると予想される。
そこで採卵鶏の暑熱対策技術確立に資するため、夏期の採卵鶏に対する重曹・ビタミンC製剤投与による産卵性等低下防止効果について検討した。
-
[成果の内容・特徴]
-
-
飼料中への重曹・ビタミンC製剤0.2%添加で飼料消費量の低下が抑制され、夏期の産卵率等産卵性は向上する傾向にある。特に産卵前期においてその傾向は大きい。(表1、図1、図2)
-
飼料中の重曹・ビタミンC製剤0.2%添加で産卵後期では、卵黄色、卵殻厚は改善される傾向にあるが、産卵前期にはその傾向は認められない。(表2、図3、図4)
-
飼料中の重曹・ビタミンC製剤0.2%添加で産卵前期においては1日1羽当たり収支差は7%増加する。(表3)
-
[成果の活用面・留意点]
-
-
重曹・塩化カリウム添加でも検討したが産卵性の向上効果は認められない。
-
夏の暑さは今後更に厳しいものになると思われるため、重曹・ビタミンC製剤による栄養対策のみでなく日蔭、散水、送風等鶏舎施設対策も含めた総合的対策が必要である。
-
[具体的データ]
-

表1 重曹・ビタミンC製剤添加の産卵性

図1 区分別産卵率の散布図(産卵前期)

図2 区分別飼料消費量の散布図(産卵前期)

図3 区分別卵黄色の散布図(産卵後期)

図4 区分別卵殻厚の散布図(産卵後期)

表2 重曹・ビタミンC製剤添加の卵質

表3 重曹・ビタミンC製剤添加の1日1羽当収支差
-
[その他]
-
研究課題名:採卵鶏における生産性向上に関する試験
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2005年度
目次へ戻る