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CP水準を高めた配合飼料と飼料イネサイレージを用いた黒毛和種子牛育成


[要約]
粗飼料として飼料イネサイレージを利用した黒毛和種子牛育成(120〜270日齢)において、配合飼料のCP割合を17.5%とし、配合飼料を1割程度少なく給与すると、粗飼料の摂取割合が高く、粗飼料から3割程度TDNを摂取することができる。また、配合飼料費を3,700円程度低減することが可能である。

[キーワード]
飼料イネサイレージ、黒毛和種、子牛、育成

[担当]
長崎畜試・大家畜科

[代表連絡先]電話0957-68-1135	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(大家畜)	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
県内における子牛育成用の粗飼料として飼料イネサイレージは利用できるが、飼料イネサイレージを黒毛和種子牛に給与した場合、粗タンパク質(以下、CPとする)の摂取量不足が考えられる。一方、CPを補完することで飼料イネサイレージを多給できれば自給率向上および配合飼料費削減につながると考えられる。
そこで、CPの摂取量を考慮しながら、飼料イネサイレージを多給させる飼養体系を開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. 配合飼料のCP割合を17.5%とし、配合飼料を1割程度少なく給与しても、対照区と比べて粗飼料の摂取割合が高く、粗飼料から3割程度TDNを摂取することができ、同量の栄養摂取が可能である。(表1表2)。

  2. 配合飼料のCP割合を17.5%とし、配合飼料を1割程度少なく給与しても、対照区と同等の発育が望める(図1図2)。

  3. 配合飼料のCP割合を17.5%とし、配合飼料を1割程度少なく給与すると配合飼料費を3,700円程度低減できる(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 育成期に粗飼料を飼料イネサイレージに切り換える場合は、1ヶ月程度(90〜120日齢)かけて徐々に切り換え、飼料イネサイレージへの十分な馴致が必要である。

  2. 黒毛和種子牛における高品質な飼料イネサイレージ(TDN50.8%以上)給与法の参考となる。

[具体的データ]

表1 飼料イネサイレージの成分値および試験設計


表2 DM,TDM,CP摂取量


図1 体重推移


図2 体高推移

[その他]
研究課題名:飼料イネサイレージの簡易栄養価推定法による育成牛への給与技術の開発
予算区分 :受託(独立行政法人農業技術研究機構)
研究期間 :2003〜2005年度


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