暖地における細断型ロールベールの発酵品質及び牛の採食性
- [要約]
- トウモロコシの細断型ロールベールサイレージは、品質のばらつきが小さく、梱包からラップまでに時間がかかっても品質への影響は少ないうえ、牛の採食性が高い。また、牧草類の細断型ロールベールサイレージは、品質が良く、牛の採食性が高い傾向にある。
- [キーワード]
- トウモロコシ、サイレージ、ロールベール、暖地型牧草
- [担当]
- 熊本農研セ・畜産研・飼料研究室
[代表連絡先]電話096-248-6433
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(草地飼料作)
[分類]技術・参考
-
[背景・ねらい]
-
飼料用トウモロコシの収穫作業は、酷暑の中での重労働が強いられることから、作付け面積は減少傾向にある。このような状況を改善するため、近年、トウモロコシ収穫用の細断型ローベーラが開発され、普及推進が図られている。しかし、当該機械で調製したロールベールの品質等については十分には明らかにされていない。このため、細断型ロールベーラで調製したトウモロコシ及び暖地型牧草のサイレージの発酵品質や牛の採食性等について明らかにする。
-
[成果の内容・特徴]
-
-
トウモロコシ細断型ロールサイレージの発酵品質のばらつきは、小さい。(表1)
-
トウモロコシのロールの成形梱包から48時間以内にラップした場合、発酵品質に影響は見られない。(表2)
-
トウモロコシの細断型ロールベールサイレージは、気密サイロによるトウモロコシサイレージよりも嗜好性がよい。また、ローズグラスの細断型ロールベールサイレージは、従来型ロールベールサイレージより嗜好性が高い傾向にある。(表3、表4)
-
異なる牧草を利用した細断型ロールベールサイレージを12ヶ月間保存した場合、スーダングラス>ローズグラス>ギニアグラスの順に発酵品質がよい。(表5)
-
[成果の活用面・留意点]
-
-
細断型ローベールサイレージ利用時の参考となる。
-
細断型ロールベーラによる牧草類の調製は、予乾が必要である。
-
[具体的データ]
-

表1 トウモロコシ細断型ロールサイレージの発酵品質(調製100日後)のばらつき

表2 密封遅延におけるトウモロコシ細断型ロールサイレージの発酵品質

表3 サイレージの調製別発酵品質

表4 サイレージの調製別牛の採食量

表5 細断型ロールサイレージの発酵品質及び保存性
-
[その他]
-
研究課題名:暖地におけるトウモロコシ等各種飼料作物生産における細断型ロールベール調製利用体系の確立
予算区分 :(独)畜草研委託
研究期間 :2001〜2005年度
目次へ戻る