Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成17年度目次

少数胚培養における上皮成長因子添加による胚盤胞発生率改善効果


[要約]
黒毛和種経産牛に経腟採卵を行い、採取した卵子数が少なく少数胚培養を実施する場合、培養液に上皮成長因子を添加することにより胚盤胞発生率を改善できる。

[キーワード]
牛、経腟採卵、少数胚培養、上皮成長因子、胚盤胞発生率

[担当]
大分県農林水産研畜産・肉用牛担当

[代表連絡先]電話0974-76-1270	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(大家畜)	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
超音波画像診断装置を使った経腟採卵と体外受精を組み合わせた胚生産は、優良形質を持つ雌牛に対し、過剰排卵処理を用いなくても効率的・安定的に胚の生産が可能である。しかし、登録可能な胚を生産するためには供卵牛別に培養が必要であり、供卵牛によっては少数胚培養(10胚未満/ドロップ)を実施する場合がある。その際、胚盤胞発生率は低い傾向にある。
そこで、黒毛和種経産牛の経腟採卵由来正常卵子を用いて、成熟培養液や発生培養液に上皮成長因子を10ng/mlの添加し、胚盤胞発生率の改善効果を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 上皮成長因子を発生培養液のみ、または成熟培養液と発生培養液ともに添加することによって、胚盤発生率が当場従来の培養方法(試験4区)と比較して有意に向上する(表1表2)。

  2. 試験1区、2区、3区から生産した胚を移植した結果、新鮮胚52.6%の受胎を確認。しかし、凍結胚は33.3%であり新鮮胚に比べて受胎率は低い傾向にある(表3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 優良形質を持つ雌牛(肉用牛・乳牛)を用いた経腟採卵-体外受精による胚生産の効率を向上できる。これにより優良後代牛の増頭が可能となる。

  2. 優良雌牛から生産した経腟採卵-体外受精胚を野外で活用するには、凍結胚移植の受胎率を更に向上させる必要がある。このためには体外授精胚に適した凍結方法等の検討が必要である。

[具体的データ]

表1 体外培養における上皮成長因子添加効果試験の各区処理方法


表2 上皮成長因子添加の有無による体外受精成績の比較


表3 移植成績

[その他]
研究課題名:連続経膣採卵による優良雌牛胚の安定的生産の検討
予算区分 :県単
研究期間 :2004年度


目次へ戻る