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ホルスタイン種体細胞クローン牛及びその後代産子の正常性


[要約]
体細胞クローン牛の発育性、泌乳状況及びその後代産子の発育性、血液性状は人工授精産子との間に差は認められない。体細胞クローン牛の生時体重が高く、血液性状では赤血球数が低く推移する傾向がみられる等、人工授精産子との間に差が認められる時期が一部にはあるが、多くの項目で差は認められない。

[キーワード]
体細胞クローン牛、ホルスタイン種乳牛

[担当]
鹿児島県畜試・乳用牛部

[代表連絡先]電話0995-48-2187	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(大家畜)	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
体細胞核移植技術(クローン技術)の開発は、家畜の改良増殖や家畜からの有用物質生産また各種飼養試験研究の供試牛として貢献される技術として期待されている。
しかしながら、実用化にあたっては体細胞クローン牛の正常性、相似性、安全性など解明すべき課題も多い。
そこで、同一ホルスタイン種雌牛の皮膚細胞由来の体細胞クローン牛及び体細胞クローン牛後代産子の発育性・泌乳能力等について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 体細胞クローン牛(クローン牛)3頭における生時体重は、平均55.2kgであり、場内人工授精産子(AI牛)雌65頭平均41.1kg及びホルスタイン種雌牛標準発育値(標準発育値)の上限45.8kgに比べ全ての個体において高い(表1)。

  2. 育成期におけるクローン牛3頭の体重は標準発育値の上限及び場内AI牛3頭より高く推移し良好な発育を示している。また、体重1kg当たり1日乾物摂取量については、クローン牛,AI牛ともにほぼ同様な摂取量となっている(図1)。

  3. 育成期におけるクローン牛3頭の血液性状では、赤血球数が低く推移する傾向がみられる(図2)等、AI牛3頭との間に差が認められる時期が一部にはあるが、多くの項目で差は認められない。

  4. 分娩予定2週間前に死産した1頭を除くクローン牛2頭の1産目乳検成績の補正乳量、乳脂率、乳蛋白質率、無脂乳固形分率は、AI牛3頭との間に差は認められない。
    また、クローン牛2頭の補正乳量はドナー牛を上回る成績となっている(表2)。

  5. 体細胞クローン牛後代産子3頭の出生時体重は、AI牛3頭及び標準発育値との間に差は認められない。また、育成期の体重・体高等の推移、1日当たり乾物摂取量の推移、血液性状いずれもAI牛との間に差は認められない(図1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 体細胞クローン牛及びその後代産子の正常性解明への実証事例となる。

[具体的データ]

表1 供試牛の概要


図1 体重当たり1日乾物摂取量


図2 赤血球数の推移


表2 1産目泌乳成績

[その他]
研究課題名:ホルスタイン種体細胞クローンの泌乳能力実証試験
予算区分 :農業生物研委託事業
研究期間 :1999〜2004年度


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