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暑熱環境下における泌乳牛への飼料イネサイレージ給与


[要約]
暑熱環境下において、飼料イネサイレージ「ニシアオバ」を、輸入オーツ乾草の代替としてTMRに乾物中20%程度混合して乳量約30kgの乳牛に給与した場合、乾物摂取量は1kg程度少ないが、乳量、乳成分への影響は見られない。

[キーワード]
飼料イネ、オーツ乾草、泌乳牛、夏季

[担当]
九州沖縄農研・畜産飼料作研究部・環境生理研究室

[代表連絡先]電話096-242-7748	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(大家畜)、畜産草地	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
飼料イネサイレージは、チモシー、オーツなどの輸入乾草に匹敵する飼料価値を有しており、嗜好性も良いことから、泌乳牛用粗飼料として普及しつつある。一方、西南暖地においては、夏季に乳牛の乾物摂取量が低下することから、特に粗飼料は品質の良好なものが求められる。そこで、西南暖地で一般的に給与されているオーツ乾草を飼料イネサイレージで代替したTMRを泌乳牛に給与し、暑熱環境下の泌乳牛用自給粗飼料としての有効性を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 暑熱環境下(環境制御実験室:温度摂氏28度、湿度60%)において、泌乳中期〜後期の乳牛4頭を供試し、予備期9日間、本試験期5日間とするクロスオーバー法により、飼料イネ(ニシアオバ、黄熟期刈り)主体TMRまたはオーツ主体TMR(表1)を給与した場合、乾物摂取量は飼料イネ区でやや少ないものの、有意な差は認められない(表2)。

  2. 乳量、乳脂肪率、乳蛋白質率、無脂固形分率において、両区で差は見られない(表2)。

  3. 血漿中NEFA、グルコースおよび総タンパク質濃度には有意な差は見られないが、尿素態窒素濃度は飼料イネ区で高い傾向にある。ただし、血液性状は両区ともに正常の範囲以内である(表3)。

  4. 試験期間中の体温、エネルギー利用率は両区で有意な差は見られないが、体蓄積量は飼料イネ区で減少する(表4)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 西南暖地における粗飼料自給率向上技術として有効である。

  2. 飼料イネサイレージをオーツ乾草の代替として用いる際には、高エネルギー飼料を組み合わせると良い。

  3. 暑熱環境下における飼料イネサイレージの品質低下に留意する。

[具体的データ]

表1 TMR組成(DM%)および一般成分


表2 乾物摂取量および泌乳成績


表3 供試牛の血液性状


表4 体温およびエネルギー出納

[その他]
研究課題名:西南暖地での乳牛による飼料イネの利用性向上技術の開発
課題ID:07-02-02-*-23-05
予算区分 :ブラニチ3系
研究期間 :2003〜2005年度


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