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広葉樹剪定残渣、バガス等を副資材とする乳牛ふん堆肥化の適正混合重量比


[要約]
適正混合重量比は、乳牛ふん:剪定残渣=3:1、乳牛ふん:バガス=6:1、乳牛ふん:バガス:剪定残渣=10:1:1である。有機物分解率は42〜56%と、オガクズを副資材とした場合に比較して1〜4割高い。

[キーワード]
家畜ふん尿、乳用牛

[担当]
九州沖縄農研・畜産飼料作研究部・畜産総合研究チーム

[代表連絡先]電話096-242-7760	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(畜産環境)、畜産草地	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
沖縄本島南部地域は、堆肥化設備等の整備が遅れており、圃場の堆肥必要量に比較して供給量が大幅に不足している。また、沖縄県ではオガクズ生産量が少ないことから、堆肥化に使用する副資材の調達が課題になっている。そこで、街路樹(広葉樹)剪定残渣等の都市由来の資源やバガス等の南西諸島地域特有の有機性資源と乳牛ふん尿の堆肥化条件を、1週間毎に切返しを行う強制通気式堆肥化方式で、1次発酵を4週間として1.8m3の実規模堆肥化発酵装置を用いて明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 含水率84.5%の乳牛ふんと含水率約25%の広葉樹剪定残渣2次破砕物(以下、剪定残渣、平均長さ5.7mm、表1参照)の堆積高さ1.8mの堆肥化において、通気性を確保するための適正混合重量比(平均かさ密度を700kg/m3以下)は、乳牛ふん:剪定残渣=3:1(含水率68.8%)、乳牛ふん:剪定残渣:戻し堆肥=5:1:1(含水率67.1%)である。剪定残渣は吸水性が悪く、剪定残渣の割合を多くする必要がある。材料含水率は季節などによって変動するため、剪定残渣では初期含水率を68%、剪定残渣+戻し堆肥では67%程度に調整する(図1)。

  2. 含水率86.2%の乳牛ふんと含水率約25%のバガス(平均径5.2mmm、表1参照)の堆肥化(堆積高さ1.8m)において通気性を確保するための適正混合重量比は、乳牛ふん:バガス=6:1(含水率78.0%)、乳牛ふん:バガス:剪定残渣=10:1:1(含水率73.6%)、乳牛ふん:バガス:建築廃材=8:1:1(含水率74.3%)である。バガスは吸水性が良いので副資材にバガスのみを使用する場合、初期含水率を78%と高くできる。また、剪定残渣や建築廃材を一部利用する場合には、初期含水率を74%程度にする必要がある(図1)。

  3. 過乾燥を防ぎ比較的良好な分解率を得るための通気量は1週目61〜86L/min/m3と2〜4週目の通気量31〜49L/min/m3に比較して1.5〜2.3倍多くなる。また、バガスを利用した場合の通気量は、剪定残渣利用に比較して約1割増加する(表2)。

  4. 堆肥化材料の有機物分解率(1次発酵終了時)は、剪定残渣42%、剪定残渣+戻し堆肥42%、バガス52%、バガス+建築廃材43%、バガス+剪定残渣56%となり、オガクズを副資材とした場合(38%程度)に比較して分解率が1〜4割向上し、これらの材料は副資材として適している(図2)。

  5. 1次発酵終了時の含水率は初期値に比較して約20%減少する。また、体積は剪定残渣利用80%(かさ密度390kg/m3)、バガス利用60%(かさ密度290kg/m3)程度に減少する。

[成果の活用面・留意点]
  1. 南西諸島などで堆肥化に利用できる副資材に関する堆肥化条件は、これらの地域における堆肥化施設設計資料の基礎数値として活用できる。

  2. 混合重量比は家畜ふん尿や副資材の含水率などに影響され、水分が高い場合には副資材の割合を増加させる。

[具体的データ]

図1 乳牛ふんと各副資材混合物の1.8m堆積時のかさ密度と含水率


表1 副資材の窒素、炭素濃度


表2 堆肥化材料の初期かさ密度、含水率と週平均通気量


図2 1次発酵終了時の有機物分解率

[その他]
研究課題名:家畜ふん尿、バカス等有機性資源の加工技術の開発
課題ID:07-01-07-01-18-05
予算区分 :交付金プロ「沖縄広域連携」
研究期間 :2003〜2005年度


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